幸福はゼロサムゲームではない
話をまとめると、幸福学の観点からいい会社かどうかを見極めるポイントは、「合理性と非合理性の双方から評価すべき」ということでした。
そんなこと当たり前じゃないか、という声が聞こえてきそうです。しかし一方で、就活生の間ではいまも、「人気企業ランキング」のような特集が幅を利かせています。このようなランキング上位の企業は確かに給与もよく、安定しているでしょう。しかし、幸福感をもって働けるかどうか、といった評価軸とはあまり関係のないものです。少し考えれば当然のことです。数百万も存在する日本企業のうち、幸福感まで「人気企業ランキング」上位の会社が独占しているなどとは、誰も主張しないでしょう。
そのほか、私の近著『幸福学の先生に、聞きづらいことぜんぶ聞く』では、40億円の資産を持つ日本一不幸な男の話や、「FIRE」の実情、その道の第一人者になるためのたった一つの方法についてなど、幸福と仕事の関係について対話形式でわかりやすく書いています。
幸福はゼロサムゲーム(誰かが勝ったら、そのぶん誰かが負けるという仕組み)でありません。日本で働くすべてのビジネスパーソンに、このことをアナウンスしていきたいものです。