「あるがまま」で臨むと秒殺

いわゆる「ネガティブ要素」がある人もそうです。この世代ですから、すねに傷の一つや二つ、あって当然でしょう。完璧なキャリアの人なんてレア中のレアです。

ただ、面接時にそのネガティブ要素を突っ込まれると、どう対処していいかわからず、自己判断でいい加減なことを言って不採用になるのです。

「転職回数が多いようですが、どう考えていますか?」と聞かれたとしましょう。

「ポジティブに変換すべし!」といった誤った転職指南を信じ込んで、「転職回数が多い分だけ、人より多くの職場と仕事を経験しています。変化への適応能力は非常に高いし、仕事の覚えも早いです」

といった、的外れな回答をしてしまうわけです。

「就活生じゃあるまいし、長年第一線で酸いも甘いも経験してきてるんだから、いちいち対策なんてしていられないよ」という気持ちは痛いほどわかりますが、ここが運命の分かれ道です。

「豊富な経験があるんだから、変にマニュアルに頼らず、あるがまま、思いつくまま回答すれば良い」というものではありません。

面接官の本音や心理を把握した上で、自分に合った、あるべき正しい回答をすべきなのです。

仕事スキルと「転職スキル」は、まったく別物

仕事ができる人なら転職はスムーズに決まるかというと、実はそうではありません。

できる分だけ要求・要望も高いものの、そういった求人はなかなか出てきません。プライドの高さからくる傲慢な所作や受け答えが面接官の心象を悪くすることもあります。

筆者は約20年の支援経験の中で、スキルや実績は申し分なく、ターゲット選定も間違っていないミドルでも不採用が続くケースを、嫌というほど目の当たりにしてきました。これはひとえに「転職に必要なスキル」の習得をおこたっていたからに他なりません。

業務遂行能力に長けているという「仕事スキル」と、採用選考を勝ち抜ける「転職スキル」は、完全に別物と考えてください。

ターゲットを選定したら、興味のある求人に応募しますよね。その後は、書類選考があって、3回程度の面接があって、その間に適性検査があるというのが一般的な選考プロセスです。

この各プロセスを通過するために必要なのが、「転職スキル」です。

一つでも欠けると、採用が遠ざかってしまいます。

適性検査対策は、市販のSPI対策本をやっておけば大丈夫です。

一方、書類選考は『受かる書き方』で対策してください。

ビズリーチなど「転職エージェント」は、すっかり浸透した観があります。転職エージェントの登録や活用法も『受かる書き方』をご参照ください。

面接は『30代後半~40代のための 転職「面接」受かる答え方』で対策しておきましょう。

そして予算があれば、キャリアコンサルタントの力も借りましょう。転職スキルが格段に向上し、内定を勝ち取る可能性が一気に高まること必至です。

丸かバツの選択肢を提示している男性
写真=iStock.com/takasuu
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