池袋に投資をするのは豊島区ではなく民間

高野区長は記者会見で、本件についてフォートレス側からは計画について連絡がなかったという趣旨の話をしていますが、特段再生計画内容について報告する法的義務がないわけですから、当然です。地元自治体としては、民間投資をしてくれることに感謝することはあっても、文句を言うことではないでしょう。

銀座、表参道、新宿、渋谷も、国内外の企業群がどんどん投資することで変わってきています。もし池袋が、区長たちの望む一流のまちを目指すのであれば、計画に対して嘆願するのではなく、旺盛な民間投資を呼び込む誘導政策を考えるべきでしょう。渋谷区のように東急グループと渋谷区など多数のセクターが相互に連携し、投資を続けているまちもすぐ近くに存在しているのです。池袋にもより建設的な方法が残されています。

池袋の街並み
写真=iStock.com/Melpomenem
※写真はイメージです

マスメディアにも責任があります。今回の「嘆願書」や「記者会見」には、本来、何の効力もありません。ところが、「ニュース」として報じられれば、大きな力を持つことになってしまいます。しかも、それは民間投資を遠ざけるという負の影響力なのです。政治家は知名度向上になりますから、損はしません。損をするのは、投資を受けられなくなる地域住民なのです。

今回のような嘆願に頼る誘導は、池袋に新たな投資を呼び込む上でプラスになるとは思えません。口出す前にしっかりと市場要件を検討し、正当な手続きを経て、民間企業に合理的な方法で誘導政策を提案することが大切です。

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