起業を目指す夫になにを伝えるべきか

転職とともにもう1つ、人生の大きな転機となるのが独立、起業です。

もはやずっと同じ会社で働き続ける時代ではありませんし、安泰と思われた大会社ですら、いつまであるかわかりません。ですから、起業して自分でビジネスを始めるのは、ずっと会社員でいるよりも、もしかすると将来的な生活の安定につながる可能性があります。

事業計画のイメージ
写真=iStock.com/Varijanta
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一方で転職とは違い、独立したら、よほどのコネでもない限り収入の安定は当分見込めません。家計を管理する妻としては、当然、不安を覚えるでしょう。ですから、夫には安定した生活を守れるような形で独立してほしいということを、はっきりと伝えるべきです。そのために必要なのは、成功する確率が高い計画。

具体的には、次の3点を夫に約束させましょう。

①独立資金は、自分のおカネを使うのではなく、金融機関に出してもらうこと
②事業が軌道に乗るまでの生活資金は、あらかじめ貯めておくこと
③十分に儲けが出るまでは、スタッフを雇ったり事業を拡大したりしないこと

必ず「株式会社」にしたほうがいい

まず①について、自分のおカネだと事業の見通しが甘くなりがちです。その反面、普通の銀行は、何の実績もない人に事業資金を貸してはくれません。ですから、まずは日本政策金融公庫など公的な金融機関に事業計画書を持ち込んでみましょう。

無論、相手はプロですから、「これではおカネを貸せませんね」と断られると思います。その際に大事なのは、計画書の何がダメなのかを必ず聞くこと。そして、ダメだと言われたところを改善して再び計画書を持っていく。これを何度も繰り返していくうちに、事業計画の“穴”が徐々に小さくなっていくでしょう。

そうして、ついにおカネを借りることができたら、その時点で事業の成功率はかなり上がっているといえます。

さらに、自分の会社を「株式会社」にしておきましょう。株式会社化して金融機関から資金を借り入れておけば、万が一もうダメとなったときも会社を破産させればそれで終わり。借金取りに追われることもないでしょう。