自分が稼いだお金は自分名義で預金すべき

夫のおカネもさることながら、日々の自分のおカネの管理にも注意が必要です。とりわけ気を配るべきなのが、夫とともに自分も働いている場合でしょう。夫婦でバリバリ働き、ガッチリ稼いでいる家庭は別にして、結論から言うと、夫が主に働き、自分はパートで働いているならば、自分が稼いだおカネは自分名義で預金しておいたほうがいいということになります。なぜそうなのか。

貯金箱を持って電卓をたたく人
写真=iStock.com/Suchat longthara
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それは、結婚する前なら自分名義の預金があったという人も、結婚すると、家計のためにいつのまにかその預金を取り崩したりしてしまい、いざというとき「アタシのおカネがない!」となってしまうケースが多く見受けられるからです。

夫、家族と一生暮らすなら、それでいいかもしれません。しかし、離婚や死別などによる夫や家族からの独立が、将来待ち受けている可能性のほうがはるかに大。おひとりさまの老後生活を送るにせよ、何かしらお店などを始めるにせよ、元手がなければ新たな一歩を踏み出せません。

もちろん、なかには「いや、私にはへそくりがあるから大丈夫」と言う人も少なからずいるでしょう。ところが、これが落とし穴。夫が一家を食べさせている家庭の場合、妻が節約に節約を重ね続け「へそくり」をつくったとしても、それはもともと夫のおカネです。

へそくりは「夫からの贈与」扱いになってしまう

たとえば、皆さんが爪に火をともすように何十年もかけて、1000万円の「へそくり」を貯めたとしましょう。

子どもも大きくなり独立したので、この1000万円で、念願のネイルサロンをやろうと店を開きます。ところがそのとたん、税務署からお尋ねが。「開業で使った1000万円はどうしましたか?」と問われ、「何十年もかけて貯めたへそくりです」と答える。ところが税務署には、それではとおりません。

「そのへそくりというのは、ご主人の収入から貯めたものですよね。だとしたら、ご主人からの贈与になります」こう税務署から言われ、いきなり177万円もの贈与税を支払わなくてはならないことになってしまう可能性があるのです。

自分自身で何か商売を始めたい、あるいはビジネスをやらざるを得ないといった機会がいつ訪れるのか、誰にもわかりません。ですから、いざというときに備えて、自分で稼いだおカネは夫の収入とバランスをとりながら家計には全額入れず、自分の銀行口座にプールしておくのが大事なのです。くれぐれも夫の収入から「へそくり」をつくるだけでは、将来的に心もとないということを、きちんと覚えておいてください。

・博子先生の結論
いつまでも夫、家族と一緒かはわからない!
だからこそ自分のおカネはきちんと確保して‼