帰宅したら外で服を脱ぎ、即シャワーを浴びる
里美さんとは2022年4月に話をしたのだが、そのときに、自分がコロナ警察だったことをすっかり忘れていた。そこで、過去のSNSの投稿をさかのぼり、その画面を見ながら話を聞いた。
2020年4月7日、安倍晋三首相は東京をはじめとする7都府県に、新型コロナウイルス感染症対策本部の特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令。政府は「外出自粛」「学校の休校」「テレワークの推進」を要請した。
「コロナ前までは、3歳年上の夫、12歳の娘、10歳の息子という4人家族でした。夫は大手企業に勤務しており、年収は1200万円くらいだったかな。2020年の1月の終わりくらいに、武漢の医師が警鐘を鳴らしたユーチューブ動画を見て、『これはヤバい』と思ったんです。周囲は『変な風邪が流行っているみたいだね』という感じでしたが、私は違いました」
その後、2月3日に横浜に大型客船が来た。日本政府の対応などを見て、義憤にかられたという。里美さんは結婚前まで看護師をしていた。感染対策の基礎知識があったから、なおさらだ。
「マスク不足を想定し、初期に子供用も含めて10万円分以上のマスクを購入しました」
感染症の知識がある里美さんは、2月の段階で帰宅したら外で服を脱ぎ、即シャワーを浴びることを徹底していた。公立の小中学校に通う子供たちの休校が決まったのが、3月頭。それ以降も夫は出勤し続けた。
「この人は家族を愛していないんだ」と思いました
「子供たちには帰宅したら玄関の外で下着になってもらいました。娘は家の外で服を脱ぐことを恥ずかしがりましたが、命のほうが大切です。すぐにシャワーを浴びさせて、家に入れていました」
着た服は即座に洗濯をする。そこまで頑張っても、夫は何もしない。玄関にアルコールスプレーを置いても使わず、手も洗わない。
「強く言ったら、パチーン(平手打ち)でしょ? 夫の言い分としては、『誰のおかげで食わせてもらっていると思っているんだ、俺をバイキン扱いするな』ということなんでしょうけどね。この夫の行動で『この人は家族を愛していないんだ』と思いました。愛していれば、家族の安全のために感染対策をするはずですから」

