ポジティブ心理学で中学受験の悩みも解決

保護者向けの講演などでよく聞く、受験に関する悩みは以下の3つです。

1.子供のやる気がない
2.思ったように成績が伸びない
3.塾に行くのを嫌がる

勉強をさぼる娘を見つめる両親
写真=iStock.com/Hakase_
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圧倒的に多いのは、1の子供のやる気が出ない問題です。ある母親は「小5の時に娘がやりたいというから、塾に通い受験をすることにしたのに、勉強しなくて困っています」とこぼしました。娘の希望を叶えるべく応援しているが、「このままでは間に合わない」と焦っている様子でした。親が焦って力んでいるのに、当の本人は危機感を持っていない。そのギャップにイライラして小言を言ってしまい、娘との関係が悪くなっているとのことでした。

こうした子供のやる気に悩む親のほとんどは、実は、わが子の立場になって、その理由を考えてみたことがないケースが多いです。

聞けばこのケースでは、娘が塾通いを始めたのは小5の途中。多くの子は小3年の2月ごろ(もしくは小4春)からなのでやや遅い。おまけに塾の勉強の難易度が高まるのが小5から。そのため、特に算数の授業についていくのが大変で成績が上がらない。母親が叱咤しったすればするほどやる気がなくなるという悪循環が起きていたのです。

私は、「できるところから少しずつ積み上げていってはどうか」とアドバイスしました。

実は、国語と社会は好きで塾のテストでも高得点をあげていました。まずそこにフォーカスして、娘に自信をつくよう働きかけることを勧めました。

すると、得意な科目について母親から褒められるようになって娘も自信を取り戻し、苦手な算数については塾の先生に相談して、基本問題を中心に取り組むことにしたところ、少しずつ成績も上がっていったそうです。

私のアドバイスはポジティブ心理学のエビデンスに則ったものでした。