また、「専門性やスキルを活かせる仕事がしたい」と考える人が約7割いたように(図14、15)、自立的にキャリアを築くための武器として専門性を念頭に置いている人が多いようだ。

キャリアプランを考えるうえで気になるのは、“成長感”や“達成感”を得られる会社かどうか。守島氏は、「日本企業はこれまで成長感や達成感を比較的うまくマネジメントしてきた」という。

「若手のころは一人前になるまでこれから伸びていくという成長感が働きがいにつながりました。また、キャリアを積んで成長が止まっても、それまでに培った能力を発揮できるポストにつくことで達成感が味わえた。こうして長期的な視野で働きがいを提供してきたことが日本企業の強みでした」

ところが今、働く人は、どちらにも手ごたえを感じられずにいる。成長感を感じているのは、全体の3割前後(図16)。とくに深刻なのは40代だ。本当なら裁量が増えて達成感を感じやすくなる世代だが、達成感は20代・30代より、むしろ下がっている(図17)。

「企業経営のスピードが速まって、成長や達成を振り返る機会を持てないのでしょう。ある目標をクリアすると、すぐ次の目標へと駆り立てられる状況では、自分の成長を確認したり、達成した喜びを噛みしめる余裕もない。これでは成長感や達成感を実感しにくい」(守島氏)

植木理恵氏は、「目標設定のやり方に問題がある」と分析する。

「モチベーションは、期待(実現可能性)×価値(仕事の魅力)の掛け算です。いくら仕事に魅力を感じていても、目標がかけ離れていると、働きがいにはつながりません。厳しい経済状況でノルマ圧力は高まっているかもしれませんが、与えられた大きな目標にそのままトライするのは危険。分割払い方式で、目標を細かく分割し一つずつクリアしていったほうが、達成感を得られやすいはずです」

※すべて雑誌掲載当時