企業規模で「成果が求められる期間」は異なる
鉄則④ 「即戦力」としての期待値を分析し、すぐ結果を出すことだけを考えない
即戦力というのは、文字通り「入社してすぐに結果を出せる力」という意味ですが、実際にそこで期待されているレベルは実は転職先によって違いがあります。
例えば営業職として転職した人は、業種にかかわらず比較的すぐに数字としての売り上げ実績を出すことが求められます。しかしながら、総務のような管理部門で転職した人に、営業と同じレベルで成果を期待されても困ってしまいます。
転職した際は、職場において仕事で成果を出すまでどれだけの期間が与えられているかを把握することが大切となります。
求められる即戦力のレベルはその会社や部署によって異なりますが、大きく分けると「企業規模」と「職種」の2つの指標で見ることができます。
まず企業規模ですが、ベンチャー企業のような急成長している会社や規模の小さい企業ほど、初日からガンガン動いていくことが求められます。すなわち、短期間で成果を出すことが求められる環境であると言えましょう。
一方、大企業では短期間で結果を求められることは基本的にありません。特に大企業では、転職当初は会社全体の動きや仕事のやり方、自分の仕事の位置づけなどを把握することに費やす必要があるわけです。
「即戦力」を意識しすぎて空回り…
続いて職種ですが、例えば金融トレーダーやアナリストは、基本的に個人で動く仕事であり、会社が変わっても業務内容にはほとんど違いはないので、転職してもすぐにアウトプットが求められます。ほかにはクリエイターやコンサルタントも、比較的短い期間で成果を出す必要があります。
一方、人事や総務といった管理部門は、評価できる成果を出すのに時間がかかる職種です。エンジニアやマーケティング、商品開発、店舗開発、研究開発などは、営業部門と管理部門の中間レベルに相当するため、短期スパンでの成果を上げることは決して簡単ではないのです。
このように、周囲の評価に対して即戦力になるという意味では、単に急げばいいというものではありません。場合によっては、自分1人だけが空回りしていることもありうるわけです。
自分は一生懸命やっているのに、どうも周囲から評価されていないのではないかと感じた際には、自分の仕事の位置づけをあらためて確認することがポイントです。「即戦力」という言葉に振り回されて、自分の動き方が独善的にならないよう気をつけたいものです。
転職先で失敗する人:「即戦力」の内容を把握せず、自分だけの実績を出すために周囲との人間関係を無視して独善的に行動する