育児休業は子どもが1歳になるまでの間に取得できるものですが、1歳に達する日において保育所などに入所できない場合など、例外的な措置として1歳6カ月まで育児休業を延長することができます(再延長で2歳まで可)。

10月以前は、1歳以降に育児休業を取得するには、休業開始日が1歳または1歳6カ月到達日の翌日に限定されていたため、父母が各期間の途中で交代することができませんでした。その制限がなくなったことにより、交代での育児休業取得が可能になりました(図表3)。

【図表3】産後パパ育休制度を利用した育児休業の取得例
筆者作成

※3 産後パパ育休の創設に伴い、子の出生後8週間以内に育児休業を終えた場合に再度育児休業の取得を可能とする制度(パパ休暇)は廃止

育児休業給付金をもらえる3つの条件

育児休業は取りたいけれど、「経済的に不安」という人も多いでしょう。そのための支援制度として、非課税で受け取れる「育児休業給付金」や「社会保険料の免除」などがあります。まず、育児休業給付金についてみていきます。

育児休業給付金の受給要件は、原則として以下のとおりです。なお、産後パパ育休を取得した場合に受給できるのは「出生時育児休業給付金」ですが、受給要件は育児休業給付金と同じです。

1.1歳未満の子を養育するために、育児休業を取得した雇用保険の被保険者であること
2.育児休業を開始した日前2年間に、賃金支払日が11日以上ある月が12カ月以上あること
3.1支給単位期間中(※4)の就業日数が10日以下または就業した時間数が80時間以下であること

育児休業中は就業をしないことが基本ですが、労使間の話し合いによる合意を条件に、「3」の範囲での就業が可能です。

休業中の賃金の50~67%を給付

育児休業給付金の1カ月あたりの支給額は以下の計算式で算出します。

・ 育児休業開始後180日まで:休業開始時賃金日額×支給日数×67%
・ 育児休業開始後180日以降:休業開始時賃金日額×支給日数×50%

休業開始時賃金日額とは、育児休業開始前6カ月の賃金を180日で割った金額です。支給日数は原則30日として計算します。出生時育児休業給付金を受給した日数も通算されますので、67%の育児休業給付金が支給されるのは、180日から出生時育児休業給付金を受け取った日数を差し引いた日数分です。

※4 育児休業を開始した日から起算した1カ月ごとの期間(その1カ月の間に育児休業終了日を含む場合はその育児休業終了日までの期間)