男性が学ぶべき「求愛の12段階」

女性たちの心の動きは「動物の性行動」として、ごく自然なことです。

イギリスの動物行動学者であるデズモンド・モリスは、「すべての動物の求愛パターンは典型的なプロセスとして組み立てられている」と指摘しています。そして、人間が異性と関係性を深めていくプロセスを、次のような「求愛の12段階」として表しました。

■デズモンド・モリスの「求愛の12段階」

第1段階 目から体
第2段階 目から目
第3段階 声から声
第4段階 手から手
第5段階 腕から肩
第6段階 腕から腰
第7段階 口から口(キス)
第8段階 手から頭
第9段階 手から体
第10段階 口から胸
第11段階 手から性器
第12段階 性器から性器(セックス)

先のような「会話もスキンシップもないのにセックスだけは求めてくる」というのは、この第1段階から第11段階までの求愛行動をすべてはしょって、いきなり12段階へ突入しようとしている……というわけです。

これでは、女性たちが生理的、本能的に受け入れられないのも無理はありません。

女性にとっては、日常的に交わす視線や言葉、手を握る、肩に触れるといった軽いスキンシップまでもが、セックスに至るまでの求愛の儀式、いわば前戯に含まれているということです。

夫婦間でもその都度合意は必須

また、具合の悪い妻の合意なくセックスをした男性のように、「いまさらセックスをするのにいちいち許可を取る必要なんてない」という思い込みも、大間違いです。長年連れ添った夫婦であっても、その都度の合意は絶対に必要です。

最近では性的なDVや家庭内レイプが問題になるケースもあります。夫婦の間には「性交渉を求める権利」はありますが、意思に反して無理やり性交に及んだ場合には、当然ながら夫婦間でも強制性交等罪は成立します。

「そんな大げさな!」と思うかもしれませんが、先の夫婦のように、元々は仲が良かった関係性に取り返しのつかないヒビを入れてしまうことにもつながりかねません。