なぜ「女性はリーダーに向かない」と言われるのか。ジャーナリストの浜田敬子さんは「女性は男性よりも自己評価が低く、社内政治力も弱い傾向がある。これまではそれが弱みとされてきたが、今の時代にはむしろそうした人のほうがリーダーに向いている」という――。

※本稿は、浜田敬子『男性中心企業の終焉』(文春新書)の一部を再編集したものです。

ジグソーパズルの最後にピースをはめると、リーダーシップの文字
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アメとムチを使い分ける「交換型リーダー」

スイスのビジネススクールIMDのギンカ・トーゲル教授は、著書『女性が管理職になったら読む本』の中で、求められるリーダー像が大きく変わってきていると指摘している。

長年にわたるリーダーシップに関する研究でリーダーには、①交換型リーダーシップと②変革型リーダーシップがあることがわかっている。

「交換型リーダーシップ」はアメとムチを使い分けてリーダーが意図する方向へ人々の行動を仕向けようとする。リーダーから与えられる報酬とメンバーの服従が交換されることで成り立つ関係で、例えば「このノルマを達成したら、ボーナスを上げる」など人々の損得に訴える。一方の「変革型リーダーシップ」は人々の内発的な動機付けを引き出し、内面にある価値観を変革させる。

令和の組織には「変革型リーダー」が向いている

トーゲル教授は「交換型」はリーダーが自分の時間の多くを監視やコントロールに割かなければならないため無駄が多く、非効率であるだけでなく、リーダーの指示が適切でないと組織のパフォーマンスが落ちるリスクを指摘している。

これに対して、「変革型」ではリーダーが予期していなかった成果が生まれることがあるという。

また階層構造でできている組織を「権力」によって管理していた時代には「交換型」が機能していたが、組織がフラット化し、ヒエラルキーよりネットワーク群のようになった今は権力や権威で組織は動かせないというのだ。

現代のようにテクノロジーの進化のスピードが激しく、10年前の成功モデルが通用しない時代には、リーダーの成功体験がかえって変化を阻害する。5年先ですら、どんな時代になるのか予想するのが難しい時代には、特定のリーダーからの価値の押し付けがリスクになることもある。そうなると、その時々のメンバーの内発的な動機を引き出した方が変化には柔軟に対応できる。

では、「変革型」に必要な資質とは何か。