非日常の象徴としての「オニグラ」
かつて、外食各店に商品供給を行い、自社グループで飲食店を運営する大手企業の経営者に「外食の魅力とは何か?」を尋ねたことがある。その答えは次の内容だった。
「家庭では出せない味と雰囲気だと思います。たとえば寿司は、材料を揃えれば各家庭でもできますが、お寿司屋さんでプロの職人が握る味、店内の設えなどは再現できません」
コロナ禍で、外食が日常の延長線上から「非日常感」が強くなった今、この言葉を思い出す。ロイヤルホストの場合「オニオングラタンスープ」が象徴するのではないか。
「地域の方に愛される店を、ロイヤルホストは目指してきました。コロナ禍になって、その大切さを再認識しています。これからも忘れずに歩んでいきたいですね」(生田氏)
世相や状況によって、飲食への意識がどんどん変わるご時世、「気分転換の食事」や「少し奮発したい時」に選ばれるかどうかで、外食ブランドの行く末も変わっていく。