汚れた手でオナニーすると炎症を起こすことがある
第6条 汚い手で行うべからず
コロナ禍も3年目に突入し、衛生観念がかなり改善され、自宅に帰ってきたら手洗いすることがすっかり常識として定着しました。僕はオナニーをする時にも、事前に手洗いをすることを推奨しています。というのも、僕の診察室では、汚れた手で強くこすったりすることで、亀頭や包皮部分に炎症を起こしてしまった患者さんたちが日々、訪れてくるからです。
トイレの後だけでなく、パソコンやスマホを触ったり、公共の場で手すりや取っ手に触れたりした後には、細菌や、皮膚によくない物質などの汚れが手にたくさん残っていることがあります。特に「指先」が顕著で、次に「手の甲」「指の間」「手の平」の順に、付着する汚れの量は多くなります。
一方、亀頭は非常に薄い皮膚で覆われているために、汚れに対して脆弱で、細菌感染もしやすい構造になっています。そこを細菌や汚れだらけの手でガシガシとこすり上げれば、当然ながらトラブルを起こしやすくなってしまいます。
手をアルコール消毒までする必要はありませんが、オナニーの前に石鹸で手を洗うか、お風呂上がりにオナニーをすることをお勧めします。
また、セルフプレジャー(オナニー)グッズとして販売されているローションなどを使ってオナニーをした時にも、事後はきちんと洗い流してください。
「床オナ」をしない方がいい理由
第7条 陰茎を布団や壁にこすりつけるオナニー(床オナ)はしない方がよい
布団や壁などに陰茎をこすりつけて射精に至るオナニーを、通称「床オナ」といいます。獨協医科大学埼玉医療センター(当時、現・プライベートケアクリニック東京 東京院院長)の小堀善友先生が名づけたこの「床オナ」が習慣となって、それでしか射精ができなくなると、将来セックスの時に射精できない「腟内射精障害」の原因となります。
なぜなら、床オナで受ける床に押し付ける際の刺激は、実際のセックスの際に腟へ挿入して受ける刺激とはかなり異なるためです。床オナでいつも射精をしているために、腟への挿入では快感を得られなくなり「セックスしても気持ちがよくない」ということになってしまうのです。
これは、第5条の強すぎる握りに慣れてしまったために遅漏になるケースと、同じプロセスです。強い刺激や、実際のセックスと異なる形での刺激で気持ちよくなるというオナニーは、避けたほうがよいということです。