「半勃起」での射精も避けた方がいい

第8条 必ず勃起した状態で射精すべし

通常、男子が射精をする時の陰茎は、勃起をしています。大多数の男子は勃起している時にしか射精したことがないと思います。

そもそも「勃起しないで射精できるのか」と思うかもしれませんが、実際には可能です。その典型例が、先に述べた床オナをしている人たち(床オナニスト)の射精です。

床オナニストの多くは(ほとんどすべてかもしれません)、半勃起もしくは勃起していない状態で射精しています。

床オナニストは、亀頭を何かに擦り付けた時に感じる気持ちよさを持続させることによって快感を得、射精しています。亀頭の気持ちのよい感覚は、完全に勃起すると鈍くなってしまい、気持ちよさが減ります。じつは、一番亀頭が敏感になるのは、「これから勃ちますよ」という、いわゆる半勃起の時なのです。

つまり、「床オナ」をする人にとっては、床にこすりつけながら半勃起の状態を維持することが気持ちがよく、そのまま射精をすることが習慣になってしまっているわけです。そのため、床オナをしている人の大半は、勃起していない状態で射精しているのです。

ところが、半勃起状態で射精するクセがつくと、今度は完全に勃起した状態では射精ができなくなります。当然ながら、半勃起では腟への挿入が困難になるため、セックスができなくなります。しかも、半勃起で射精する習慣のある人は、「完全に勃起させると気持ちよくない」「腟の中では全然感じません……」となってしまいます。これが問題なのです。

僕自身も、性に目覚めた頃は、うつ伏せになるとすぐ股間が気持ちよくなって勃起したものですから、床オナをしたくなる気持ちは分からなくもありません。しかし、オナニーはあくまで本番(セックス)に至るまでのトレーニングです。本番ができなくなるような方法で行っていては、本末転倒です。

そのため、完全に勃起した状態で射精をする習慣を作ってください。

「出したくなったら出す」オナニーはあまりよくない

第9条 3回我慢してから4回目に発射すべし

通常、1回の射精で出る精液の量は1.5mL以上が正常とされています。

今井伸『射精道』(光文社新書)
今井伸『射精道』(光文社新書)

射精と射精の間隔が1日以上あいていて、射精しそうになってから射精するまでの時間が長く、精液を出すタイミングがバッチリ合った時、より多くの精液が出ることが実感できると思います。

おしっこやおならが出るのを我慢して止めるように、「あともう少しで射精する」状態になった時、肛門を締めるようにすると、射精をある程度止めることができます。

ところが、この時にまったくブレーキをかけず(我慢せず)に射精すると、出る精液の量は少なくなります。また、我慢するタイミングがずれることで少しだけ出てしまったり、中途半端に出たりします。また、射精するタイミングがずれても、思うように精液が出ないことがあります。

僕はこの状況を、輪ゴムを飛ばそうとする時にたとえています。指に輪ゴムをひっかけて飛ばす時、引っ張る力が少ないと輪ゴムはあまり飛びません。逆に、輪ゴムをギリギリまで引っ張ってからパッと手を放すと、ビューンと遠くまで飛びます。

射精も同じです。出そうになっても頑張ってある程度我慢してからドバッと出す。それが量も勢いもある、気持ちのよい射精になります。逆に、我慢しないであっさり射精すると、精液の量も少なく、勢いもなく、射精に伴う気持ちよさも半減してしまいます。

よい射精を習慣にするための目安は、「出そうになるのを3回我慢して、4回目で出す」というものです。これを目標にオナニーで射精の練習をすることをお勧めします。

早漏を改善するトレーニングとしても効果的です。

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