2022年上半期(1月~6月)にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2022年5月16日)
筋肉量を増やすにはどんなトレーニングをするべきか。フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは「無理なく100回繰り返せる筋トレよりも、8~12回が限界な筋トレから始めて徐々に負荷を上げていくのが効果的。ただし、そうした『過負荷』の筋トレには注意点もある」という――。

※本稿は、中野ジェームズ修一『子どもを壊す部活トレ』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

運動をする女性
写真=iStock.com/Bojan89
※写真はイメージです

無理なく100回繰り返せる筋トレでは負荷が足りない

「効率よく筋力アップを目指すなら?」
A.低負荷で100回行う
B.高負荷で10回行う
→筋力アップに適しているのは高負荷の筋トレ(正解はB)

腕立て伏せや腹筋運動、ダンベルやバーベルを使った筋トレが部活動のメニューに盛り込まれていたり、そうでなくても自主的に取り組んだりしている学生もいるでしょう。なるべくたくさん回数をこなした方が、強くなれる気がしている人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

効率よく筋力アップを目指すなら8〜12回の回数を行うのが限界な高負荷のものを、休憩を挟みながら3セット程度。頻度としては週2〜3回行うのが理想です。無理なく100回も繰り返せてしまう運動は、筋力アップという面では負荷が足りず、効果的ではありません。

成長期にとって高負荷の筋トレはリスクが大きい

筋力アップにダンベルやバーベルなどを使った高負荷の筋トレはとても有効ではあるのですが、取り組み方にはかなり注意が必要です。

まず、骨が成長段階にある中学生年代は高負荷の筋トレは避けるべきでしょう。成長している間は、骨がまだ柔らかく、過度な負荷をかけると変形してしまう可能性があります。骨の成長には個人差があり、高校生年代になったとしても身長が伸びているようなら、まだまだ成長段階。大きな負荷をかけるのはリスクがあります。

パーソナルトレーニングを受けたことがある人ならイメージできると思うのですが、自分に適した負荷を設定し、ケガのリスクの少ない正しいフォームで十分な回数を行うのは、なかなか難しい作業です。だからこそ専門家がいて、プロアスリートにも専属のトレーナーがついているのです。トレーナーの指導が受けられる環境でなければ、無理に高負荷の筋トレにチャレンジせず、ケガのリスクの小さい範囲でトレーニングをしてもらえたらと思います。

ある程度の筋肉はケガの予防に欠かせないものではありますし、体の成長が落ち着いたから筋トレに励みたいという人もいるかもしれません。筋肉量を増やすために重要な、3つの筋トレの原則を紹介しておきましょう。