政府がお金を使うしかない

この状況が自然に改善されることはないだろう。

物価が上昇し、賃金が上がらないなら、家計が消費を控えるのは当然であり、その結果として企業の売り上げも当然落ちる。

そうなると企業は利益率を維持するために設備投資を控え、人件費も抑えにかかる。この企業の行動も合理的なものだ。

家計と企業というミクロの経済主体がそれぞれ合理的な行動をとった結果、マクロの観点では不都合な結果が生じる。これを「合成の誤謬ごびゅう」という。

いま日本経済が陥っているのはまさにこの問題である。この状況を改善するには、国内経済における最後の経済主体である「政府」がお金を使う必要がある。

アフターコロナは大量倒産の時代

消費が冷え込んでいるのは、新型コロナウイルスの感染拡大による影響も大きい。

新規陽性者数の推移を見てみると、いわゆる第7波はピークアウトを迎えており、それにあわせて岸田政権も10月11日から1日あたりの入国者数の上限を撤廃することを発表した。

筆者は感染症の専門家ではないので、新型コロナウイルスについては何も語ることはないのだが、これまでのデータをみれば、今年の冬に第8波がやって来ることも考えられる。

ただ、新規陽性者数の数に対して重症者数が増えなくなっていることや、欧米が規制撤廃をしていることを考えれば、今後は日本も「アフターコロナ」となっていくのだろう。

【図表】新規陽性者数と重症者数の推移

アフターコロナとなり、企業にも追い風が吹くと考える方もいるかもしれないが、筆者はむしろ倒産件数の急増を懸念している。