各国首脳と信頼関係を築き、評価は好転

しかし、安倍さんはオーストラリアのアボット首相やインドのモディ首相、トルコのエルドアン大統領などとも強い信頼関係を築き、中国の習近平主席や韓国の朴槿恵大統領の浅はかな反日姿勢にも粘り強く日本の立場を説明してきました。

さらに女性活用への目に見えた支援などを行い、アメリカのリベラルからの安倍さんへの好意的な評価は定着してきたのです。

それは、2015年4月のアメリカ議会での演説と、同年8月の「戦後70年談話」において、戦後体制の成果を前向きに評価し、戦前への反省も十分にしつつも、明治以来の近代日本の歩みへの正当な評価を求めるというバランスのとれた歴史観に結実しました。

そして安全保障分野では、アメリカや他の友好諸国に対する責任を果たすための象徴的な課題が、集団的安全保障に参加するための体制整備だったと思います。

もともと、私は安倍さんについてあまり評価していなかったのです。そのことから、私はもともとリベラルといわれていたのが、保守化したといわれることもありますが、私自身の考え方はほとんど変わっていません。

あるのは、安倍政権の政治がリベラルな視点からも評価できるものになったのと、野党がひどく左傾化し現実主義的性格を失ったこと、あと中国・韓国・北朝鮮の反日路線の強化、中国の覇権主義、北朝鮮の核開発に対応する必要があることの三つの変化です。

リベラルの王道、ケネディ家とケリー家との交流

それに、安倍さんの外交能力そのものが非常に上がったのです。それは、諸外国首脳との強い信頼関係を築いたことでも証明されました。

また、東京オリンピック招致を決めた2013年9月のブエノスアイレスのIOC(国際オリンピック委員会)総会での演説や、2015年4月のアメリカ議会での演説など、安倍さんの英語による演説は非常に素晴らしいもので、海外から高い評価を得ることに成功するのです。

2015年の訪米で一番印象的だったのは、ワシントンD.C.の前にボストンへ行って、ジョン・ケリー国務長官私邸でキャロライン・ケネディ駐日大使を交えて食事をしたことで、これは実はたいへんなことなのです。

なぜかというと、ボストンのあるマサチューセッツ州という地、そしてケネディ家、ケリー家というのはアメリカのリベラルの王道だからです。

ボストンにあるケリー家で、しかもジョン・F・ケネディ大統領の娘と一緒に食事をするということは、アメリカのリベラルが安倍さんを歴史修正主義者だとか、あるいはウルトラナショナリストなどではないということを認めたことを意味するわけです。