子どもの中学受験がかさみ頭が痛いところへ、追い打ちをかけてくるのが更新での保険料大幅アップ。そもそも加入した保険が間違っていたのだ。

収入保障保険への切り替えだけで教育費590万円捻出

中学受験が熱を帯びている。首都圏中学模試センターの調査によると、首都圏の中学入試の受験率は年々上昇し、2007年には16.45%に達している。6人に1人くらいの割合で受験している計算だ。

子どもによりよい教育を受けさせたいという親心は、教育費の負担などものともしない。しかし「これまでも塾の費用やらなにやらかかっていたのだから大丈夫さ」と言ってみるものの、いざ入学すれば授業料以外に、クラブ活動の費用やお稽古ごと、それに制服の費用など、予想以上に教育費は膨らんでしまう。

昔のように年齢に合わせて給料が上がれば、なんとか乗り切れたかもしれないが、いまはそれも望めない。教育費の負担と給料の頭打ちという二重苦にさいなまれることになる。そんな家庭に追い打ちをかけるのが、1通のお知らせだ。ある日突然、保険会社からやってくる。

定期付終身保険から収入保障保険に替えると50%以上も保険料がダウン
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定期付終身保険から収入保障保険に替えると50%以上も保険料がダウン

おおかたの場合、生命保険というのは子どもの誕生をきっかけに加入する。現在40代であれば、10~15年前に加入した人が多いだろう。当時は図のような定期付終身保険が主流だった。終身保険に定期保険特約が上乗せされ、定年退職の時期まで高額な保障が得られるという商品だ。そして定期保険特約の部分は10年あるいは15年ごとに自動更新される仕組みになっている。前述のお知らせは、この自動更新を伝えるものだ。

自動更新の際には、その時点の年齢で保険料が再計算される。それによって、月々の支払額は大幅に上昇する。2倍を超えることも珍しくない。ただでさえ教育費の負担にあえいでいるところに、いきなり保険料が2倍になるというお知らせ――。考えただけでも気が遠くなるではないか。とはいえ、いまさら教育費は減らすことはできない。保険料をなんとかして削るほかに方法はない。

そこでお勧めしたいのが収入保障保険への切り替えである。必要保障額は子どもの誕生時がピークで、それ以降は徐々に下がっていく。40代であれば、これから子どもの人数が増える可能性は低いだろうから、今後必要保障額がアップすることはほとんどないはずだ。

定期付終身保険は保障額が一定であるため、必要保障額が下がるほどムダな保障が生じてしまう。しかし、収入保障保険なら、必要保障額の推移に合わせるように設計することができる。ムダな保障をカットすることによって、保険料を安くできるのだ。タバコを吸わない場合や健康体の場合は、さらに保険料が下がる。

図の例でいけば、上図の定期付終身保険では総払込保険料が1085万円を超える。これを非喫煙優良体型の収入保障保険に切り替えると約495万円で済んでしまう。実に600万円近くも安くなる。これで子どもの教育費に対する不安も軽減するだろう。

ただし、保険料などの条件は保険会社によって大きく違ってくる。

また、収入保障保険は年齢が高くなるほど保障額が徐々に減っていくことがデメリットだ。これから急激な物価上昇が起きたりすると、保障が足りなくなる恐れもある。できるだけ「保険金額は高めに、保険期間は長めに」を心掛けて、余裕をもった設計をしておくことがポイントになる。

(構成=向山 勇)