収入ダウンですぐ手をつけるのが保険。しかし、無保険のままでは、大黒柱に何かあったとき、家族が路頭に迷うことになる。

リストラで年収ダウン「共済」で究極の生活防衛プラン

終身雇用制はとうの昔に崩れ、「サラリーマンも安泰ではない」と叫ばれてから久しい。しかし、頭では理解していても自分の身に置き換えて具体的に考えるのは難しいものだ。ある日突然、リストラの波が自分に押し寄せ、慌てることも少なくない。

一番つらいのは再就職先が決まらないことだ。40代にもなると、年収1000万円を超えることも多い。再就職の口があっても、元の年収を維持するのは至難の業だ。非正規雇用や契約社員になれば、年収が2分の1、3分の1になることもある。「それでは生活できない」と、ずるずる就職活動を続けたとしても、結局1年経っても2年経っても就職先が決まらず、精神的にも追い詰められていく。

もともと所得の高い家庭は、固定費が高い。子どもが私立に通っていたり、いい家を買っていたりする。それらは簡単に削れない。最初のうちは退職金や雇用保険で何とかつないでいたとしても、すぐに限界がやってくる。生命保険の契約者貸し付けで一時的にしのぐという方法もあるが、収入減が長引きそうであれば、いずれは底をつく。

そして最初に手をつけるのが保険だ。一抹の不安を抱きながらも「こんなピンチのときに保険料なんか払っている場合じゃない」と自分に言い聞かせ、バッサリ解約してしまうことになる。

たしかに、いざというときの備えよりも、日々の生活のほうが切羽詰まった問題だ。しかし、十分な貯蓄があれば保障はそれほどいらないわけで、余裕のないときにこそ、保険が必要なのだ。そんなときに病気や事故などで急な出費が生じれば、もう破綻するしかなくなってしまう。掛け金の安い共済などを利用して、なんとか最低限の保障だけは確保しておきたいところだ。

ただし、共済の掛け金は安いものの、60歳、65歳を超えると保障額が下がってしまうデメリットがある。だから、保障としては優先度の低い妻の保障から共済に切り替えていく。たとえば、全労済の医療タイプに加入すると、毎月の掛け金は1600円で済む。これでも入院した場合には日額6000円の入院共済金が受け取れるし、若干ではあるが死亡共済金も付いている(図参照)。妻の医療保障としては、これで十分だ。