外資系企業と海外富裕層の存在

とはいえ、こうした過去に何度もあったリゾートブームやバブル状況とは、決定的な相違点がある。それは、①外資系企業と②海外富裕層の存在だ。

ホテルの屋上でくつろぐカップル
写真=iStock.com/Orbon Alija
※写真はイメージです

過去のリゾートブーム終焉やバブル崩壊時のように、国内企業による開発や国内富裕層・投資家だけの市場になると、景気や不動産価格が上向きなときにはいいものの、ひとたび、不景気や不動産価格が下落に転じると、日本の場合、皆同じような投資行動をとることになる。国内企業は事業からの撤退や切り売り、国内富裕層も損失覚悟の物件の売却となり、それが更に事業の悪化や不動産価格の下落を招くという負のスパイラルが何度も何度も繰り返されてきた。

しかし、外資系企業や海外富裕層が加わり、円安・円高の捉え方が真逆であることが象徴するように、国内企業や国内富裕層とは違う動きをとることで、不動産価格の過度の変動を抑えることになるのだ。もっとも、ホテルコンドミニアムをすでに所有する国内外の富裕層の多くは、耐久力があり、長期・安定保有が目的であるため、売り急ぐことがない点も大きい。

生き残るリゾート地はどこか

冒頭に紹介した「フォーシーズンズホテルアンドホテルレジデンス京都」や「パークハイアット ニセコHANAZONO」のような、外資系ラグジュアリーブランドホテルや高級ホテルコンドミニアムは、自社投資かフランチャイズ契約かに関係なく、しがらみや先入観なく、単純にビジネスとして採算がとれるのか、成長性はあるのか、自社ブランドに貢献するのか、といった合理的な観点から立地や投資先が選ばれている。このため、こうした外資系最高級ホテルや高級ホテルコンドミニアムの開業を、一つの判断材料として、特に、海外の富裕層や投資家は、安心して、中長期的視点で不動産投資を行うことができるのだ。

外資系ラグジュアリーブランドホテルや外資系の高級ホテルコンドミニアムがある国内の観光地・リゾート地は、この先も資産運用先としても生き残る可能性が高そうだ。

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