マインド・コントロールの3つの原則

ところで、旧統一教会の元信者が語るところでは、次のようなコントロールがある。

①カイン―アベルの原則

創世記によると、カインが兄、アベルが弟で、2人はアダムとエバの息子達であるが、神はカインの献げものよりもアベルの献げものを取られたのでカインは怒ってアベルを殺してしまう。

この物語から旧統一教会では、神によみされたアベルにカインは従うべきという一般則を作る。これが組織内ではアベルは上司(信仰上の先輩)、カインは部下(信仰上の後輩)に相当するという。

したがって、信仰共同体の組織は下位のものが上位のものに道徳的に逆らえないピラミッド的なものとなる。最上位には文鮮明がいる。社会関係のコントロールである。

②アダム―エバの原則

先に女性が堕落して男性を誘ったということから、女性は男性に献身的であるべきという一般則を作る。これが国家間に適応されると先に述べたアダム国家(韓国)-エバ国家(日本)の図式となり、日本が韓国に仕えるのは当然なのだということにもなる。

また、堕落は男女の間違いから始まったことなので、信徒同士男女間の密な関係は禁じられ、再臨主たる文鮮明を仲介しない男女関係は全て不義なるものとされる。

祝福後の家庭にも再臨主が介在し、夫婦間の愛情よりも再臨主への信仰の方が強いのである。性愛と結婚のコントロールである。

③ほうれんそうの原則

報告、連絡、相談を縮めたものである。自分の行為は全て上司に報告し、信徒同士連絡を密に行い、自己判断の必要がある場面では全て相談する。

旧統一教会の信徒は自己の裁量で行動することは殆どなく、組織的な判断や指令を優先する信仰実践の毎日である。これは行動のコントロールである。