「あなただけに話しかけている」という気配

人間的な信頼関係を深めるためには、そのときの時刻や状況を踏まえたうえで「あなただけに話しかけている」という気配を作ったほうがいい。

特に好ましいのは、相手の状況を推察してねぎらったり、共感したりする表現だ。

安田峰俊『みんなのユニバーサル文章術 今すぐ役に立つ「最強」の日本語ライティングの世界』(星海社)
安田峰俊『みんなのユニバーサル文章術 今すぐ役に立つ「最強」の日本語ライティングの世界』(星海社)

たとえば深夜の3時にメールがあり、たまたま自分がすぐに返信が可能だった場合に「遅くまでお疲れさまです。私のメールへのお返事は明日でも大丈夫です」という表現を加えれば、相手もちょっとうれしくなる(ただし「お子さんが小さいのに深夜まで申し訳ございません」など、相手のプライベートに踏みこむような表現は避けよう)。

また、自分が指示した作業をこなした人に「あれこれとわがままを申しましたのに、ばっちり仕上げていただいてありがとうございます。大変助かります!」といった返信を書くのもいい。他者から苦労を認められて嫌な人は誰もいないからだ。

(加えてズルいことを書けば、相手に気持ちよく仕事をしてもらえれば次回に依頼するときもやりやすいし、成果物のクオリティも上がるので、まわりまわって自分が得をするのである)

ちょっと一工夫を加えるだけで人間関係を円滑にできると考えるならば、上手なメールを書くことはかなり「コスパ」がいい行為だといえるだろう。

【関連記事】
感じがいい人は使っている「相手がすぐに返事をしたくなる」催促メールの最初の一文
頭のいい人はそう答えない…「頭の悪い人」が会話の最初の5秒によく使う話し方
「当社は第1志望ですか?」「給与はいくらほしい?」転職面接の"答えにくい質問"への最強の回答
仕事ができる人は知っている…「よろしくお願いします」より効果的なメールの締めのフレーズ