業績の悪い企業は一番に何をすべきか
日本でものを作るならば、人件費が高いわけだから、量産品を扱うのではなく、日本でしか作れない高付加価値のものでなければ生き残れないだろう。お客様に対しては期待水準を超えるもの。競合に対しては相対的な優位を保つもの。「これだけは負けない」魅力を持つものが必要なのだ。
ドラッカーは、「今日のように多様化した組織社会では、すべてが平均的というより、何かひとつでも飛び抜けた強みを持つことが重要」だと言っている。一芸に秀でていれば、ほかのことができなくても、他者と提携すれば成し遂げられる時代なので、ゼネラリストよりもスペシャリストが求められているのだ。
一番わかりやすい例がシアトル・マリナーズに所属するイチロー選手だろう。イチロー選手は、大リーグで数々の記録を打ち立てるだけの高い身体能力を持っていることから、どんなスポーツをやっても上手くできるはずである。しかし、彼は野球しかやらない。その中でも、外野手しかやらず、ホームランも打てるのに、ヒットを打つことに徹している。イチロー選手は自分の強みを活かし特化していくことで、5年間で100億の年俸を稼げるような選手になったのだ。
私たちは、つい自分が苦手なことを克服しようと躍起になってしまいがちだが、弱みを克服してもせいぜい平均より少し上になる程度である。それよりも、自分が得意なことをさらに磨いていったほうが強みを持つことに繋がる。もし年収3万ドル、300万円の生活から抜け出したいなら、自分の強みに集中し、自分の専門性を磨くことだ。