自律神経の乱れは血液の状態の悪化を招く
私たち人間は、血液がなければ生きていくことができません。そして、健康維持のためには、きれいな質のよい血液とスムーズな血流がとても重要です。
その重要な「血流」をコントロールしているのが自律神経です。
交感神経は血管を収縮させ、副交感神経は血管を拡張させます。両者がバランスよく交互に働くと、血管の収縮と拡張がリズミカルに繰り返され、血液はスムーズに流れて全身に行き渡ります。
ところが、両者のバランスが崩れてどちらか一方が過剰になると、血流の状態が悪くなります。
とくに交感神経が過剰に優位になると、呼吸が浅くなって心拍数が上がり、血管が収縮して血流が滞ります。その結果、血液がドロドロになって血管がダメージを受け、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす血栓が生じやすくなっていきます。
体内にもさまざまな悪影響が
体にも、さまざまな不調が起こります。全身に栄養と酸素が行き届かないだけでなく、体内に不要な老廃物が溜まってしまうからです。
たとえば、臓器がダメージを受けてしまえば、免疫力や体力、脳の働きも低下して、頭痛などの不調が現れやすくなります。また、いざというときに体調が崩れる、ここぞというときにやる気が出ないなどといった心(=メンタル)の不調にもつながります。
加えて、代謝が落ちて太りやすくなったり、生活習慣病の発症リスクが高まったりします。
それだけではありません。がんやうつ病、年齢を重ねることで発症リスクが高まる認知症や骨粗鬆症、フレイル(健康な状態と要介護状態との中間)やサルコペニア(筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態)なども、自律神経の乱れから生じていることが少なくないと私は考えています。