結論とオチは最初に話すべき
話の前置きが長すぎる人がいます。たとえば、「会社の同僚が勤務時間中にケガしたこと」をだれかに説明するとしたら、「こないだ大変なことがあってさ、会社の同僚がケガしたんだよね」と、5秒くらいで伝えることができますよね。
これを次のようにいったら、どうでしょうか?「こないだ大変なことがあってさ。私の会社に、元コンサルで私より2つ年上の人がいるんだけどさ。その人とランチに行こうとしたのね。お昼は大体、ちょっと歩いて駅のほうまで行くんだけど。そういえば最近、行きつけの店が潰れたんだけどさ……」などといった具合に。
この時点で、まだ肝心のケガの話は出ていないのです。つまり、話の前置きとして、周辺情報をくわしく話しすぎているんですね。マジメな人であればあるほど、こういう言い方になりがちです。
なぜなら、誤解がないように正しく伝えないといけない、と思い込んでいるからです。
しかし、聞く側からすると、この種の正しさなんてどうでもいいのです。
仕事の打ち合わせであれば、正しさは必要かもしれません。あるいは、大学での研究発表でも正しさは求められます。ただ、日常生活ではまったく必要ありません。むしろ前置きをくどくどと話されると、肝心の話に行く前に、相手が聞く気を失うことにもなりかねません。
上手に話すためには、結論を早いうちに話してしまうことです。その上で状況や補足などの周辺情報を付け加えていけばいいと思います。
「どういうつもりで話をしているのか」がまったく見えてこない話をだらだらとされると、次第にうんざりしてくるのではないでしょうか。
相手のリアクションを見て退屈してそうなら、早めに結論とかオチをいうようにしましょう。
「頭が固い人」と「柔軟な発想をする人」の差
若い人を前に、ついつい昔話を多くしていませんか?
飲み会の席とかで、自分の昔話を持ち出して、後輩に説教する人を見ることがあります。そういう人も、おそらく20代のころは昔話ばかりしていたわけではないでしょう。
昔話を多くするのは、年を取って頭が固くなった証拠です。僕がこれまで生きてきて全体的な傾向として感じるのは、「40歳を過ぎてから考え方を変えられる人は限りなく少ない」という事実です。
若いときは柔軟でおもしろい考え方をしていても、40歳を過ぎると、頭が固くなっていきます。家庭を持ったり、会社でのポジションを得たり、出世コースから外れたり、体力的に落ちてきたり、率直な意見をいってくれる友だち付き合いが減ったりなど、さまざまな要素が、40歳を境に一気に増え、次第に「守り」の考え方になっていくのではないかと思います。