「年収と肩書を上げ、キャリアアップしたい」
現在、転職市場は全世代で売り手市場といえます。ですが、即戦力ともいえる実力がありながら、転職活動がうまくいかない人たちがいます。彼らに共通するのは、面接における失言です。
某中堅メーカー勤務、40代の営業部長Aさんは、商材は異なるものの営業先が重なる企業の法人営業部門責任者の求人にエントリーしました。求人情報を見ると、現職よりも100万~200万円アップする可能性がありそうです。無事に書類選考を通過し、人事部長との面接に進みました。
そこで人事部長から「Aさんは今回、どうして転職をお考えなのですか」と聞かれたそうです。
Aさんは即座に「年収と肩書を上げ、キャリアアップしたいと考えています」と回答しました。
1週間後、転職エージェント経由で来たのは「ご縁がなかった」という連絡でした。Aさんのなにがいけなかったのでしょうか?
もちろん、より多くの収入が欲しい、より大きな権限が欲しいと望むこと自体は悪いことではありません。しかし、この年収や肩書は、あくまでも結果です。
私自身は日々、マネジメント層の人たちからも転職相談を受けていますが、彼らがよく口にする「より経営に近い仕事に就きたい」も同じです。
転職失敗者は、結果にこだわる発言に終始してしまっていることが多いのです。
まず先に応募先企業に提供すべきものは、あなたの仕事力やテーマ、貢献可能性です。
それが魅力的で価値あるものとすれば、先方から見返りとして、やりがいと責任のある職務、相応の年収が、結果としてついてくるのです。
「会社に違和感があったから退職した」
転職の相談を受けた際、前職の退職理由について「現職企業の経営者や上司のやり方が間違っている」「自分の考えと合わない」「会社に違和感があった」ということを、滔々と語る40~50代のベテラン世代は珍しくありません。
お気持ちはわからないでもないですが、実際の面接を受ける前に次の2つのことを確認してほしいのです。