時代とのズレはひたすらに残酷
佐藤氏は今の最前線の女子高生・女子大生の感覚に向けてデザインした、にもかかわらず、当の彼女たちはこの店舗デザインを「平成レトロ」と受け取り、言ってみれば「平成ギャルプリ」や「ガラケー風加工」と同列で消化していたのです。
彼女たちが嬉々として私に報告してくれた言葉が忘れられません。「ちょっと何か昔の感じがいいんですよ!」
佐藤さんの過去の功績は掛け値なしに素晴らしいものですが、こういうことが起こってしまうのがクリエイティブの怖さ。時代とのズレはひたすら残酷です。
クリエイティブディレクターとしての佐藤可士和を信奉する企業担当者の中年世代は多いですが、ことZ世代をターゲットとする場合の反面教師として、マーケターである私も肝に銘じねばなと痛感した一件でした。
しかし、恐らくズレたのにも関わらず、一周回って彼らに当たったのはさすがのお手並みと言わざるをえません。