インデックス投資で1億円を達成できるのは高所得者

仮に20年間の積立を行い、中間である+150%の成果を達成したとしましょう。1億円をクリアするためには、単純計算で4000万円の元手が必要となります。

老後資金2000万円で紛糾している情勢下ですから、諸々の支出控除後で4000万円を貯蓄し、さらにそれをすべてフルインベストメントして、年率換算で±20%、時期が悪い年は-40%といったリスクに耐えられる人は多くないでしょう。

インデックス投資で1億円という話は、年収が多い方、もしくは年収数百万円でも人生を犠牲にし支出を極度に抑えて、蓄財最優先が可能な方限定のストラテジー(戦略)であります。ただし、「難易度がゼロ」である点は大きなメリットです。

アクティブ運用で超過リターンを狙うのは難易度が相応に高く、誰でも簡単にできる話ではありません。

以下ではリスクを取って少ない元手で+1億円を狙う戦略について解説します。

足元の戦略は長期上昇トレンドのファイナル上げを取りに行く

足元では世界的に株価が調整していますが、これは米FRB(連邦準備理事会)の利上げ開始の初期に特有の現象で、中間反落を乗り越えて再び上昇に向かうと考えています。中間反落とは、金融相場と業績相場の移行過程に起こる反落のことです。

2022年3月に米国債の2年と10年の間で逆イールド(利回り差の逆転)が発生しました。短期金利が長期金利の水準を上回るのは通常とは逆の現象で、景気後退・株価調整に転じるシグナルとなることが多く、過去の経験則では「逆イールド」発生から、「1~2年程度で株価がピークアウトすることが多い」との実績があります。

そして、逆イールド発生からピークまでの騰落率は+20%~+30%程度の時期が多いのです。したがって、強気は2023年までというのが当面の相場観です。2023年3月~2024年3月あたりは要警戒だと考えています。

2024~2025年の調整が浅かったとしても、遅くても2027年頃までは、世界的に株価が大天井をつけて、長期低迷相場に入る可能性があると考えます。

上昇トレンドの株式市場データ
写真=iStock.com/sitox
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そう考えると、いまは最後の上昇を取りに行く戦略がいいと思います。季節特性では大統領2年目(中間選挙の年)は4~9月が軟調な傾向にあるので、新規でインデックス投資を始めるなら時間分散で買っていくのがおすすめです。