未来を予測できなくても株式投資で勝利できる
ごく一部の超人を除くと、将来の株価予測は困難を極めるというのが一般的です。株式市場に参加している投資家は、世の中に流布しているあらゆる情報を正確に把握して、新たな情報が出たら瞬時に織り込んで、正しい判断を下せるわけではありません。
市場参加者の大部分は、効率的市場仮説で定義されている合理的経済人とはほど遠い状況にあり、あらゆる情報を瞬時に把握して正確に意思決定できる主体はあまりいません。
無数にある市場に影響を及ぼすファクターの中で、自分の考えと親和的な一部の材料で意思決定を行う方が大多数です。考え方、手法は千差万別であり、多種多様な投資主体が参加して形成されているのが株式市場です。
大口から小口個人まで多様な市場参加者が、異なるリスク許容度、異なる保有情報、異なる売買ルール、異なる資金、異なるメンタルに基づいて、多様な角度から判断して市場で売買しています。
毎日、数多く勃発する出来事や業績変化に対して、どのように対応するのかもそれぞれで異なります。そうした無数の意思決定の集合体が株式市場であり、長期的には株価は業績に収斂されるとはいえ、短期的には需給バランスで揺れ動きます。
幾多の情報を正確に把握して、株価の行く末を正確に見極めるのは困難を極めます。しかし、株価を予測できるか否かとトレードで成功するか否かは必ずしも直結していません。アクティブ投資家は、ランダムに見える株式市場の中で期待値の高い売買行動を発見して、勝率が高い取引を行うことで収益を獲得しています。
バリュー投資、グロース投資、イベント投資、インデックス投資などは、いずれも正攻法で適切な行動を取れれば期待値が高い株式投資です。