幼児と児童の食事は「1週間単位」でバランスをとる

1歳頃に離乳食を完了したら、幼児食です。幼児が食べられる量は大人に比べて少ないので、食べやすくしても、栄養がバランスよくギュッと詰まったものにしてください。ただ大人食と幼児食の2種類を作るのは大変ですから、無理せずに味付けだけ変えるとか、加熱時間を変えて柔らかくするだけなどの工夫をしましょう。「栄養バランスのよい食事」がどういう食事かがわからない場合は、以下を参考にしてみてくださいね。

厚生労働省「食事バランスガイド」
画像=厚生労働省「食事バランスガイド

さらに大きくなって、育ち盛りの児童の食事はどうしたらいいでしょう。乳児期は人生で一番の成長期ですが、第二の成長期もやはり鉄分、カルシウム、タンパク質などの体を大きくするための栄養素が大事ですね。子供は大人のミニチュアではない、つまりサイズが小さいだけではないので、大人の食事を少量にするだけではダメなのです。管理栄養士さんが考えてくれる学校給食はとても助かります。

でも、同じように家庭で毎食バランス良く食べるというのは難しいですね。ですから、幼児にしても児童にしても1週間単位くらいで、必要な栄養を摂れるようにしましょう。栄養バランスを考えたミールキットもありますし、もちろん買ってきてもいいのです。

子供自身が大きくなってくると、なぜ様々な栄養素が必要なのか、それが体の中でどのような働きをするかなどを理解できます。学校でも習ってくるでしょうが、農林水産省が出している「子どもの食育」を親子で一緒に見るといいでしょう。

「子供が食べない」悩みはとてもよくある

子供の食事が大変な大きな理由の一つは、「食べない」ことにあるでしょう。「子供が食べない」という悩みは、とてもよくあります。乳幼児健診をやっていると、数人に1人の保護者から、そういう相談をされるほどです。外国にルーツのある親子を診ることもありますが、海外の親御さんたちも日本の親と同じように「子供が食べない」と苦労しているようです。

まったく飲食をしないという子はほとんどいないのですが、離乳期には「母乳(育児用ミルク)しか飲まない」「食べることに全く興味がない」、それ以降には「食べるものが偏っている」「同じものしか食べない」「食べムラがある」「ほんの少量しか食べない」などと様々で、同じ「子供が食事を食べない」にしてもディテールはいろいろです。

私の子供も、離乳食は食べたがらなくて困ったので、そういった相談をされると、とても共感します。一生懸命手をかけて作っても、選びぬいて買ってきても、子供が口を開いてくれず、拒否されるととても悲しいものです。手作り離乳食よりも、市販のどこにでもあるレトルト食品を好まれたりすると挫折感を感じることもありました。