新型コロナはワクチンと治療薬のある病気になった
それでは、1年前と今とで何が違うのか。この1年でワクチンの接種が進み8割の国民が2回以上のワクチン接種を受けたということと、塩野義製薬の新薬を含めて複数の治療薬が出現したという状況変化が起きています。
足元では感染者数も死者数も実は増加している。しかし新型コロナはワクチンと治療薬のある病気へと状況が変わった。医療崩壊を起こすのはコロナではなくコロナ治療への厳しい規制だという状況に変わりつつある。そして経済をまわしていかないと日本はどんどん疲弊していく。前提がここ数カ月で変わり始めています。
欧米ではコロナと共生していくという考え方でさまざまな規制が解除される方向にあるのですが、どうも日本はここのところが決められない。法律を決めるひとたちが、新型コロナをインフルエンザと同じ5類に引き下げる判断ができない。しかし停滞する経済に対してこれ以上の補助金を提供する余力もない。
「空気で決めていくのが一番いい」となりつつある
それで「結局どうしたらいいのか?」なのですが、日本の場合は「あいまいにしておいて空気で決めていくのが一番いい」という話になりつつあるというのが私の社会観察結果です。
国民の間の同調圧力を使ってこの時期のリバウンドを抑えつつ、そんな空気などものともしない人たちの手で少しずつ経済を回し始めていきたいというのが国からのメッセージではないでしょうか。
「せっかくまん延防止解除になったのに、飲み会もやりづらいし、旅行にも出かけづらい」
とお感じの方は、それはそれで、正しい感覚なのです。
小市民としてはやりづらいことなのですが、外食も旅行も自分が受け入れられる範囲内で行動する。それでも周囲からある程度とやかく言われるのは仕方がない。そんな状況が続きそうで、リベンジ消費には程遠く、本音を言うとこの春の日本経済はまだまだ不安です。