今やったほうがいいこと

では、最後に、今何をやったほうがいいのか。私の考えを書いていきたいと思います。今、最も個人投資家がやったほうがいいことは、自分が「確実に」できることに力をいれること、集中することです。先ほど投資において「絶対」ということは、ほとんどないと述べましたが、自分自身で確実にコントロールできることもいくつかあります。

例えば、毎月の入金額、拠出額を増やすように努めることです。シンプルですが、これが最も確実に資産を増やす手段だということを忘れてはいけません。毎月2万円積立×20年で480万円。これを5%で複利運用した場合、820万円になります。毎月4万円を20年間貯金すると、金利0%でも960万円になります。

投資は元手が大きければ大きいほど有利に働きます(投資に限らず世の中ほとんどのことがそうでしょう)。早くお金持ちになりたい方や確実に資産形成をしたい方はこの事実から目を背けてはいけません。

利回りを上げるより投資額を増やすのが有効

株式投資の利回りは市場次第で、自身でコントロールすることはできませんが、投資の元手を増やすことは自分自身の努力次第である程度達成することが可能です。多くのアクティブファンドのマネージャーやプロの投資家が、長期的にはコスト控除後のリターンで、株価指数をほんの1%超えることすら達成できていません。

才能やスキルや運のある一部の方は別ですが、大多数の普通の個人投資家の方や初心者の方であれば、利回りを1%上げる努力をするよりも、毎月の投資に回すお金を増やすことにその労力や時間を使ったほうが確実ですし、効率的です。自分自身の人的資本や収入を増やすことは、資産を形成する上で攻めにも守りにも有効です。毎月の安定した収入は株価の下落から、金銭的にも精神的にもあなたを守ってくれます。また、健康や寝不足、体調などにも気をつけましょう。あなた自身の体が何よりも重要な資産です。株価だけが人生ではありません。株価の一時的な下落くらいで体調を崩したり、精神的に参ってしまっては人生もったいないと思います。