高校在学中からプログラミングに没頭

次に、持病で全日制高校への進学を断念したものの、通信制高校に入学し、無事慶應SFC AOに合格した生徒の事例も見ていきたい。

「私は中学時代に不登校を経験しており、全日制になじめる自信が無く、通信制の高校に通っていました。高校在学中は、もともと興味のあったプログラミングに熱中し、モバイルアプリケーションの開発やWeb制作などに没頭し、さらには技術力などを競うハッカソンに出場するなどして実績を積み上げてきました」

前述の生徒と同様に、この生徒も特定分野に「没頭」している。中学校時代には不登校になってしまったが、そして通信制高校での高校時代を経て、自分が没頭できるテーマを見つけることができたのがこの生徒の合格理由であるといえる。

試験本番に短時間で小論文を仕上げなくてもいい

ただ、この生徒は通信制高校時代の実績があればAO入試で大学に入学できると思い、高校3年の現役時代はSFCではない他大学に出願するもあえなく撃沈。小論文と面接で思うように実力を発揮できなかったことが要因であった。SFCの一般入試にも挑戦するものの、こちらも不合格となってしまい、浪人生活に突入する。

「あるとき、知人から浪人生でもSFCのAOに出願できるという話を聞いて、環境情報学部を受験することを決めました。一般入試では短時間で小論文を書き上げなければいけないのですが、文章を書く能力がないことは自分でも分かっていたので、頭を抱えていたんです」

ここで一点ポイントがある。学校生活にいまいちなじめず、短時間で国語力の高い小論文の答案を仕上げることができなくても慶應SFCのAOには合格できるのだ。その理由の一つとしては、早慶上智その他AOと違い、「試験本番に小論文を仕上げる」という課題がないことがある。