没頭できるものを見つけられたから、挫折を乗り越えられた

慶應SFCを一般入試で受験した場合、小論文はA4・10ページ以上の膨大な資料文を読みながら、1000字以上の膨大な小論文を書かなければならないことである。その負担がAO入試でなくなるのは受験生にとって大きなことだ。

だから、資料さえきれいに仕上げることができて面接を平常心でこなせれば問題なく合格できるし、何より資料を仕上げるための時間は十分与えられるのである。その後この生徒はさまざまな対策を練ったうえで無事、SFCに合格した。

「不登校の体験からどん底の人生の日々を過ごして来ましたが、研究やプログラミングなどの自分の好きなことで合格を勝ち取れたことで報われた気がしました」

この生徒も様々な挫折を乗り越えながら、それでも自分の好きなことに没頭した。私が見ている範囲では、高校中退や通信制高校から合格を勝ち取った生徒の共通点には、やはり「没頭」というキーワードがある。

「没頭」は慶應へのパスポートになる

私も、様々な人の生き様を見ているなかで、やはり自分が「楽しいと思ったこと」に没頭できる人ほど幸せな人はいないとつくづく実感する。

林直人『人間ぎらいのマーケティング 人と会わずに稼ぐ方法』(実業之日本社)
林直人『人間ぎらいのマーケティング 人と会わずに稼ぐ方法』(実業之日本社)

たとえば、自分が人生を賭けてやりたいと思うテーマがあり、それに没頭するなかで様々な勉強の必要性に迫られてどんどん勉強していく受験生を見ると、自分自身とても励まされる。

また、そうした人生のテーマがなくとも、日々の勉強や仕事のなかに楽しさを見出し、何かに没頭して夢中になって人生を歩める人は幸せな人生を歩んでいるといえるだろう。

結局のところ、人生の幸せを決めるのは、どこの大学に合格するとか、どこの会社に入社するとか、そういう話ではない。自分が楽しく勉強し、楽しく仕事をし、楽しく生きることができることだけが、人生の幸せを決めるのだ。

紹介した生徒のように、一見、“落ちこぼれ”のようになってしまったひとでも、「没頭したいテーマ」さえ見つけられれば、慶應義塾大学に入れる可能性がある。「没頭」は慶應へのパスポートとなりうるのだ。

【関連記事】
ダメな上司ほど最初に使ってしまう…「部下との1対1」で避けたほうがいい"ある言葉"
「どんな人なのかが一発でわかる」銀座のママが初対面で必ず確認する"身体の部位"
頭のいい人はそう答えない…「頭の悪い人」が会話の最初の5秒によく使う話し方
「人事部にはあらゆる陰口が集まってくる」業績は高いが評価されない人に欠けている"ある観点"
「上が言っていることだから」を連発する上司を一発で黙らせる部下の"すごい質問"