休学中に学んだプログラミングを活かし、SFCに合格

まず、紹介したいのは大学数学レベルまで勉強する高等専門学校の授業についていけずに留年し休学、そしてついには中退してしまったが、その後、高認(高卒認定試験、旧大検)を取得した上で慶應SFC AOに合格した生徒だ。

高専休学中に彼は自分の得意だったプログラミングを使った活動に取り組むことになったが、この経験が大きかったようだ。彼は次のように振り返っている。

「休学中には他学科の都市工学の研究室に迎え入れてもらい、機械学習を用いた歩行者動線分析の研究を行っていました。研究活動は勉強と違って大変おもしろくて、得意だったプログラミングを活かして熱中して取り組んでいました。

ソフトウェア会社のオフィスで働くプログラマ開発
写真=iStock.com/SARINYAPINNGAM
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そんななか、SFCを見つけ「ここなら自由にやりたい研究ができる!」と思い、高卒認定を取って一般受験をしました。しかし直前まで研究ばかりしており、小論文対策をあまりしていなかったため当然落ちてしまいました。また、授業の内容が理解できないほど勉強についていけなかったこともあり、高専も中退してしまいました」

こうして一度は受験に失敗してしまうものの、SFCに入るという目標を捨てずに、その後、無事合格を果たしている。

やりたいことを貫いた姿勢が合格に導いた

彼は高専を留年してからも「これだけはやりたい!」という分野については高専の教授陣の協力を得ながら徹底的に努力してきた。高専の教科の出来はともかくとして、このように自分のやりたいことについて徹底的に突き進むという姿勢が合格に導いたと言える。

彼の話で重要なのは以下の2点だ。

「教科の成績が悪くても、自分がやりたい勉強を明確にすること」
「自分の一生を懸ける研究を明確にした上で、その研究を徹底的に行うこと」

こうした点が、慶應SFCのAO合格ではとても重要になる。