「資産性」があれば5つの誤解はすべて解ける
(5)持ち家購入は失敗すると大損する
マンション価格の暴落論は常にある。雑誌記事は読者が増えるから根拠が無い話でも専門家の見解として何度も特集される。しかし、こうしたことが起きたことは一度もない。大損した人はバブルの崩壊前に購入した人だけなので、既に70歳を超えた人が多い。
私が主宰する住まいサーフィンという会員の含み益は平均2465万円となっている。相場が上昇したこともあり、2年ほど前より200万円以上増えている。27万人いる会員のうち、自宅を査定した人の99%が資産を増やしているのが実態なのである。
この5つの誤解をすべて解決するのが、マンションの資産性である。実際、マンション大手7社、メジャーセブンの調査結果では、マンション購入者の検討理由の1番が「資産性」になっている。それは、(1)の価格が高かろうが、そこから上がれば問題ないし、そうなると(5)の大損はなくなる。資産性により賃貸よりも住居費が安くなるなら、(2)の結婚を待つ必要性がなくなり、結婚する時には住み替えて含み益を出せばいいだけになる。こうして、(3)の生涯の住居費を安くし、(4)の仕様のいい高級な家に住むことができるのだ。
結婚や転職の足かせにならない物件はある
改めて資産性とは何かというと、価格の下がりにくさである。港区はいつ購入しても価格が上がった実績があるし、下がるにしても住宅ローンの元本の返済スピードよりも遅ければ、それは含み益となる。
元本の返済は毎年2.6%程度減少する。都区部の年間下落率は1%程度なので、1.6%程度の含み益が生まれることになる。相場がそれ以上に下がらなければだが、(1)で説明したように3年後まで値上がりはほぼ確定している。もし下がり始めるようであれば、売って利益確定すればいいと考えよう。
独身時代に家を買っても、将来的に結婚や転職の足かせにならず、むしろ資産としてあなたを助け、あなたの生き方を自由にしてくれる自宅の選び方は、いくつかの法則を守るだけでできる。
まず狙うべきは土地代が安い物件だ。土地代は仕入れ原価に相当するので、原価が高くなれば新築価格は上がらざるを得ない。この原価が安い物件は、2つある。1つは、建て替えを伴う再開発物件で、もう1つは借地権物件だ。
再開発はかなり前から地権者と販売価格を握っているので、原価が低いケースが多い。借地権は土地を購入していないので、売上原価がないに等しい。つまり、通常通りに競争入札で土地を最高値で落とした物件は価格が高いのは当たり前でもう手が出る水準でなくなっている。