「カワイイ」と支持される商品をつくるには、どこに気をつければいいのか。女子高生・女子大生の流行に詳しい稲垣涼子さんは「決めたコンセプトの中で、『対象ユーザーはなるべく広く』と考えることが重要になる」という――。
※本稿は、稲垣涼子『カワイイエコノミー』(日経BP)の一部を再編集したものです。
女性は「自分がターゲットじゃない」に敏感
前回の記事で女の子の好きなものが把握できたら、もうひとつ大前提で覚えておくといいことがあります。ヒットを生みたいなら、「みんなに嫌われない」を大切にしましょう。
「プリ機はギャルをターゲットにした商品ですよね」。大人には、そうしたイメージを持っている人は少なくありません。プリ機がギャルの代名詞だった時代も確かにありました。ただそうした時代でも、ギャルだけを意識して商品を開発するのは危険です。
当たり前ですが、ターゲットを絞るとパイが狭くなります。一部の人にだけ深く刺さる商品だともったいないです。狙ったターゲットに刺さりながらも幅広い層に受け入れられる商品を目指すべきです。ですのでペルソナなどと呼ばれる、「お客さんを深く想定する」こともあまりおすすめはしません。
女性は「この商品は私に向けてつくられていない」に敏感です。特定層に刺さりすぎない商品づくりが、女の子市場で生き残る勝因のひとつなのは間違いありません。