個性を排除し出る杭を打つ日本

日本には、誇るべき素晴らしい伝統や慣習、ルールなどがたくさんあります。先人たちは、各時代で一生懸命に頑張ってきました。

しかし、時代は変わりゆくものです。先人が決めた“常識”や過去の成功体験、慣習、伝統、仕組みの中に、私たちが自分らしくあろうとすることを阻み、自立を阻み、可能性を奪うものがたくさんあります。

同質性を求め、出る杭を打つ。組織の論理を優先し、個性を軽視する。伝統を重視し、新たな創造を歓迎しない。こんな空気が強いから、未来の展望がいまだに見えてこないのではないでしょうか。自分とは違う人を受け入れること。それが苦手だから、日本人は「国際化」を理解しにくいのではないでしょうか。

異なる鉛筆
写真=iStock.com/Blue Planet Studio
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人と違うやり方で挑戦をする人に拍手を送ること。無意味な忖度をやめ、組織の支配から抜け出すこと。自分と異なる人をそのまま受け入れること。過去のやり方は参考にしつつも、流されないこと。既存のルールに埋もれず、縛られないこと。私たちが自らの頭で本気で考え抜けば、未来を切り拓く本物の知恵を生み出すことができます。

何よりも、そんな社会なら、笑顔が増え、みんなが楽しく暮らすことができるはずです。

他人の評価を捨て、自分を肯定する価値観を持つ

日本人が自分本来の人生を取り戻し、未来を勝ち取り、日本が世界で埋没しないために、今、「自考じこう」が必要なのです。

自考は難しいことではありません。

まずは、あなたを苦しめている他人の評価や基準をすべて、遠慮なく断ち切ってゼロベースにしてください。無責任な学校や未熟な教員が押し付けてくる価値観などは、躊躇なくスルーして構いません。自分の居場所がその学校にないのなら、他に探せばいい。会社や上司が決めた評価だけで、一喜一憂するのはバカげています。自分の評価や価値は自分で決めるものです。

あなたを苦しめるモノを断ち切ったら、次に、自分を守るためにどうすればいいか、自分の頭で考えます。自考です。法律やルールに違反する行為や、他人に迷惑をかけることでなければ、何でもOKです。

この際、斬新な価値観、基準を創って、とにかく自分を守ります。自己中心的な発想でも構いません。恥ずかしいことではありません。自分は何をやっている時が楽しいかを思い出し、自分で自分を肯定して、自分の居場所を新たに創ります。自分を守ることができれば、他の人も守ることができます。

確固たる意見を持っていると自負している人も、実はそれは自分の考えではなく、他人の受け売りだったり、いつの間にか誰かに影響を受け、すり込まれているものかもしれません。他人がつくったルールや価値観、しがらみなどに、どれほど染まっているのか、自分ではなかなか気付かないものです。他者が流す情報をしっかりフォローしているつもりでも、実は毎日浴びせられる情報を鵜呑みにして思考せず、自分が埋もれているのかもしれません。