そして、査察に入られた場合、地方都市であれば、ほぼ間違いなく地元の新聞やテレビのニュースとして取り上げられるので、その会社のイメージはガタ落ちとなってしまいます。これは、経営者にとって、放置することは絶対にできません。

根本和彦『元国税調査官が捨て身の覚悟で教える「節税」の超・裏ワザ』(SB新書)
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そうなるくらいなら、重加算税を受け入れることになります。これは、脅しといって差し支えないでしょう。

また、そもそも二重計上が重加算税の対象になるかどうかは、決まっていません。重加算税の要件は、「隠ぺいまたは仮装」とされる行為です。簡単にいうと、知っているのにわざとやった場合に重加算税の対象となります。

経費の二重計上をしていても、単純なミスであれば、重加算税の対象にはならないのです。つまり、税務署員による金額に基づいた判断というのは誤りです。

当然、税務署員は百も承知。わざとウソをついているのです。こちらのほうは明確な故意ですが、何のおとがめもありません。

手ぶらで帰れない…税務署員が「重加算税」を狙う理由

税務調査に入ったら、税務署員は手ぶらで帰れません。ですから、会社に何らかの修正申告をしてもらうことになります。このとき、税務署員は重加算税を狙うのです。

確定申告で届け出た納税額と、修正申告で算出された税額の差を「追徴税額」といいます。また、その差分を徴収することを「追徴課税」といいます。

追徴課税をする場合、おもに次の4つの税金があります。

①過少申告加算税
②無申告加算税
③重加算税
④不納付加算税

ここでは、1つひとつの税について詳しくは述べません。この4つの中では、重加算税がその名のとおり最も重い税金であるということを覚えておいてください。それが、税務署が重加算税を狙う理由だからです。

それほど追徴税額が大きくならなくても、重加算税にしたほうが税務署では高い評価になります。2000万円の単純な経理ミスを指摘して修正申告してもらうよりも、200万円の所得隠しを指摘して重加算税にするほうが評価される、といった具合です(ちなみに重加算税は通称「ジューカ」と呼ばれています)。

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