最初はそれほど話題になっていなかった
始まりは、1月21日午前11時45分、菅直人元総理(以下敬称略)がツイッターにこう書いたことである(以下、ツイートは正確を期すため、それぞれ全文をそのまま引用する)。
橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし「維新」という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす。
— 菅直人 衆議院議員(府中・小金井・武蔵野) 立憲民主党 (@NaotoKan) January 21, 2022
21日時点では、それほど話題になっていなかった。
だが、維新側が過剰な反応を示したために、多くの人が知ることになった。
松井一郎代表のツイッター上でのこの問題への最初の投稿は22日午後6時03分で
元総理であり現在も立憲の最高顧問の菅さん、貴方何を言ってるか?解ってるんですか!民間人と我々をヒットラー呼ばわりとは、誹謗中傷を超えて侮辱ですよね。
— 松井一郎(大阪市長) (@gogoichiro) January 22, 2022
立憲は敵と思えばなんでもありという事ですか?
正式に抗議致します。 https://t.co/vPRMAmEN73
立憲は敵と思えばなんでもありという事ですか?
正式に抗議致します。】
一方、名前を出された橋下徹は、23日午後0時57分に
ヒットラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度。こういうことを平気でやるのは京都大学の藤井聡氏のような非常識な学者。まあ今回は弁舌の巧みさということでお褒めの言葉と受けっておくが。それよりも強い野党を本気で作る気があるなら、大阪では自民に圧勝している維新政治を謙虚に研究すべき。
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) January 23, 2022
と、問題にはするが、撤回や謝罪を求めることはしていない。この問題を大きくしたくない様子だった。
「謝罪するつもりはない」大騒動へ…
これらを受けて、ツイッター上では、維新も民主党政権を「ヒトラー以上」と言ったことなどが指摘される。
菅直人の発言は国際的にも問題はないとの声も多く寄せられた。
菅直人はそこまで計算していたわけではなさそうだが、「維新」を問題のある政党だと可視化することになった。菅直人はこの要求に対し、「謝罪するつもりはない」「維新と闘う」と書いて、大騒動となっていく。
24日夜には「#菅直人元首相を支持します」のハッシュタグが登場し、これを付けたツイートは25日昼には3万を超え、トレンドのトップになっていた。
菅直人はこれを受けて、25日午後0時55分に、
私の維新に関するツイッターに、非常に多くの人から応援のハッシュタグが送られて来ています。応援ありがとう。
— 菅直人 衆議院議員(府中・小金井・武蔵野) 立憲民主党 (@NaotoKan) January 25, 2022
とツイートした。たちまち、これへの激励のツイートが寄せられた。