ポールがベジタリアンになった理由

【ポール】人間は動物に対して残酷だと思っている。人類はずっと昔から動物を食物とする習慣があるから、そのことについて疑問を持たない。でもぼくは思うんだよ。次世紀(21世紀)には人々はもっと真剣に考え始めるだろうって。

自然環境に対しても非常に重要なことだ。なぜ重要かというと、ぼくたちが動物をこれほど食べなければ自然環境は良くなるからだ。あの大量の牛の数、マクドナルド用とかね。アメリカの水はどんどん減っている。地下水面は下がり続けているんだ。これは重大な問題だ。世界中の水がなくなったら、何も育たなくなってしまう。だからぼくたち家族は20年くらいベジタリアンだ。

——日本では40歳を超えると誰もが自然とベジタリアンになるとも言います。

【ポール】伝統的にそうなんだよね、日本人はベジタリアン。でも当たり前だけどきみたちは魚を食べるよね、島国だから。魚をたくさん食べるね、イギリスのように。それから寿司とか刺身とかも食べるだろう……。まあ、でも、ぼくは(ベジタリアンでいることは)いいことだと感じている。

動物がかわいそうだから。ぼくの一番の理由はそれだ。それから健康にもいいだろうと思っている。自然環境にはとてもいい。アマゾンの森を切り倒しているのは、牛の放牧地をつくるためなんだよ。でもぼくたち人類は木々が必要だ。空気がなくなってしまう。木がなかったら息が出来なくなる。木は酸素をつくる。これは興味深いよね。とても考えさせられる。

——(ただ沈黙)はい。そう思います。

ビートルズはストーンズより最高? と聞くと…

【ポール】次はどこへ行く予定? 日本に帰るの?

——はい。マル・オブ・キンタイアへ寄ってから、日本に帰ります。

【ポール】いいね。

——今日は長い時間、どうもありがとうございました。

【ポール】どういたしまして。よい旅になるといいですね。

——あなたの曲を聴き、ビートルズの本も拝読しました。あなたを大変尊敬しています。

【ポール】どうもありがとう。

テープを切った後もいくつか話をした。