月34万円でも「ものすごく安い」サンフランシスコ

一方、LAやNYの家賃は東京都心とは比較にならないほど高額です。私が見知ったケースとしては、ブルックリンのかなり端っこ、貧民街の地域にある古い都営団地のようなマンションですら、日本円にして家賃30万円でした。いくらなんでも……と驚いたものです。

日本でも若者に人気のアメリカのドラマ『ゴシップガール』では、マンハッタン地区に住むお金持ちの子供と、ブルックリンに住む庶民の子供できっぱり生活レベルが隔てられている姿が描かれています。

しかし、東京の場合、ある程度同じような傾向はあるかもしれませんが、NY程きっぱりエリアによって人々が分けられていることは少ないですし、「港区女子」(東京都港区を中心とした、ある程度裕福な男性がいるエリアに夜な夜な集う女性たちのこと)という言葉に象徴されているように、実際に本人が港区に住んでいなくても(金銭的に自分では住めなくても)、港区に出没し、港区的なライフスタイルを送ることもできるのです。

以前目にした記事では、サンフランシスコに住む40代前半のエンジニア男性(妻と2人の子供あり)の年収が16万ドル(約1800万円)であるにもかかわらず、「かろうじて食いつないでいる」と語られています。住居費の高騰と物価高のためです。

同記事によると、彼の家の家賃は月3000ドル(約34万円)もしますが、サンフランシスコのベイエリアの家賃は平均4200ドル(約48万円)だそうです。彼曰く「(場所の相場からして)ものすごく安い」のだそう。40代前半の彼ならともかく、これでは賃金の低い若者が住めるはずはありません。

このように東京は、世界の大都市に比べれば住居費がかなり安いのです。

東京ディズニーランドもダイソーも東京が世界最安値

日本経済新聞の「安いニッポン」(2019年12月10日、11日、12日朝刊、後に日経プレミアシリーズより書籍化)という特集記事によると、世界的に見て様々なモノやサービスなどにおいて日本の価格の安さが鮮明になってきているようです。

世界6都市で展開するディズニーランドの大人1日券(当日券、1パークのみ、2019年10月31日時点)の円換算価格は、東京7500円でカリフォルニア1万3934円、パリ1万1365円(ただし変動制)のほぼ半額で上海8824円よりも安く、日本が最安値だそうです。

また、海外26カ国・地域でダイソーを展開する大創産業は、日本では「100円ショップ」ですが、同じ商品が米国約162円、ブラジル215円、タイ214円。中国で生産した商品もダイソーには多いですが、その中国でも153円。

ホテルの予約も、2019年12月13 日から一泊大人2人でロンドンの五つ星・キングベッド・50㎡の部屋は約17万円なのに対し、東京だと同じ条件が約7万円超で済むそうです。

こうした事実も、日本及び東京が、世界的に見て大変物価の安いエリアになってきていることを裏付けています。