「学校に行きたくない」という子には、どう声をかければいいのか。『不登校新聞』編集長の石井志昂さんは「不登校になっても無理に通わせないほうがいい。心も体も休息させることができれば勉強の遅れは取り戻せる」という――。

※本稿は、石井志昂『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。

通りを歩く女子高生
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです

娘の心を動かした親の言葉

不登校の子どもたちが、親やまわりの人から言われてうれしかった言葉としてよくあげるのは「好きにしていいよ」です。ゲームでも動画でも、好きなことに没頭する時間を持たせてくれた、そんなふうに当時を振り返る子がたくさんいます。

もうひとつは「ありがとう」です。

不登校をしていた女の子はある日、ご飯を炊いておいたら、親から「助かったよ。ありがとう」と言われたそうです。そのひと言を聞いて、彼女は「家族の一員なんだと思えた。存在してもいいんだと思った」のだそうです。

親からすれば、まさか子どもがそんなことを考えているとは思わないだろうと思います。でも、子どもは心のなかで「学校へ行っていないことで、家族みんなに迷惑をかけている」「自分はみんなからサポートされる立場なんだ」と考えています。

「自分はここにいたらいけない存在なのかもしれない」「私がいると迷惑なのかな」。そんなふうに思ってしまうわけです。

だから、子どもが何かしてくれたときに、まわりの人が感謝の気持ちをきちんと言葉で伝えることは、とてもいいことだと言われています。

ただし、そのために、子どもに用事を押しつけるのはNGです。無理に用事を作るのではなく、日常生活の中でそういった場面があったときには、ぜひ「ありがとう」と口に出してあげてください。