高額商品がもたらす3つのメリット
では起業・副業の場合はどうでしょうか。「自分は一流ブランドではないし、やっぱり安いほうがいいのでは……」と思ったかもしれませんが、やはり売らんがために値段を安くするのはおすすめしません。
最初はお試しのモニター価格を付けたとしても、いずれ自分の希望に見合う価格に上げることを前提に考えてください。
自分の魅力や、自分が提供する商品のベネフィットが価値になると信じて、「これくらいもらえたら、うれしいな」という値段を付けたほうがいいのです。そういえる理由は3つです。
①一流ブランドでなくても、お客様が値段に期待する気持ちは変わらない
「これだけのお金を払うのだから、きっと素晴らしい体験になるに違いない」という期待を込めて買ってくれる人が現れるということです。
②期待を込めて買ってくれる人は、間違いなく良質なお客様
つまり、「これくらいもらえたら、うれしいな」という値段を設定することで、自分にもお客様にも心地よいビジネス空間がつくられるのです。
日ごろの感謝を込めて、あるいは新しいビジネスの小手調べとして、一時的にモニター価格を設定することはあってもいいでしょう。そういう機会をもつと実感すると思いますが、モニター価格で買ってくれるお客様よりも、正規価格で買ってくれるお客様のほうが、期待値が高いぶん、意識や意欲、商品の価値に対する納得度が高く、結果的に満足度も高くなるのです。
そして満足度が高いお客様は、高い確率でリピーターになったり、いい口コミを広げたりしてくれる。高い値段を払ってくれたお客様が、こうして、ビジネスのさらなる発展にも貢献してくれるようになるわけです。
③高い値段に見合う商品やサービスにしようという自分の意欲が高まる
自分の知識やスキルを使って、お客様の体験をどこまで高めたらいいだろうか。私の例でいうと、「ゼロスタートの人を、毎日、質の高いブログ記事を書けるようにする」というように、講座の目標設定が高くなったりするのです。
また、高いお金を払ってくれたお客様に対して、プラスアルファのサービス精神が発揮されることもあるでしょう。
たとえば、ちょっと高級感のあるホテルの会議室をセミナー会場に選んだり、すてきな小物をプレゼントしたり、といったことです。私も、高額セミナーに申し込んでくれた方には、いっとき、エルメスのノートなど「自分ではなかなか買わないけど、もらったらうれしいもの。やる気につながるもの」をプレゼントしていました。
有名ブランドやセレクトショップなどで大きな買い物をすると、すてきなノベルティがついてくることがあります。まさにそういう感じで、高い商品を買ってくれたお客様には、ちょっとした「おまけ」を添えるのもいいでしょう。
値段を下げることは、自分の価値を下げるということ
このように、高い値段設定によって自分の意欲やサービス精神が高まることが、また顧客満足度アップにつながり、ここでもリピーターや口コミにつながっていくという好循環が生まれるのです。
値段を下げるというのは、自分の価値を下げるということです。情熱の源泉をもって、ペルソナに当てはまる人たちにベネフィットを提供しようとしている、そんなあなたの魅力が価値なのだから、自分を低く見積もらないでください。
「高いと売れない」という思い込みは、ここで消し去ってしまいましょう。