ご機嫌でいるほうが生産性も上がる
こうした気づきから、私は自分のステートを最優先する生き方をするように変わっていきました。すると、私のキャリアも発展していきました。前職のコニカミノルタではたくさんの機会を与えていただき、最終年度は全社売上1兆円(当時)のうちの30%を管轄するという大変責任のある仕事をさせていただきました。
現在は、エグゼクティブコーチとして、経営者・経営幹部の成果目標達成をお手伝いしています。私のクライアントは、「苦しんだ先にこそ成功がある」と思って自分に鞭打って頑張ってきたけれど、ある程度の成果を収めて“人生の踊り場”に来た時に、「あれ、この先どうしたらいいの?」と悩みを抱えて悶々としている、そんな30代、40代の方々が多くいらっしゃいます。
そこで、ステートを最優先にする目標達成法を「ステートファースト」と呼んで、クライアントとの間で掛け声的に使っています。そして、この言葉が日本中に広まって、ご機嫌な日本人で溢れかえることを夢見ています。
「良いステートでいることを最優先する」というと、いわゆる快楽に走るようなイメージ、あるいは、何も行動しないゆるいイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、逆です。良いステートのほうが集中力が高まり生産性も上がり、行動量が増えます。
また、仮に良いステートで日々過ごす人と苦しいステートで過ごす人がいて、両者とも行動量がまったく同じだったとしても、良いステートでいたほうが単純に喜びが多くて豊かな人生であることは明白です。
「頑張り方」を変える
苦しい成果目標達成思考は世代を超えて伝播します。ご機嫌で人生を謳歌している、それでいて一本軸のある、そんな大人で溢れかえっている日本。その背中を見て多くの子どもたちが未来に希望を持って、笑顔が絶えない日本。そんな幸福度の高い日本になることを祈っています。
「頑張る」、頑なに張る。
どこか言葉の響きが、苦しいイメージを帯びています。これからは、「頑張る」という言葉をあえて使うのであれば、自分や周囲が良いステートであり続けることに対して、とことん「頑張る」ようになってほしい。日本人の「頑張り方革命」を、皆さんと一緒にぜひ実現していければと願っています。