特に重視されている3大記念日がある

まず、基本的な記念日を確認したい。創価学会の公式サイトであるSOKAnetの「年間の活動」というページのなかに「記念行事」という項目があり、そこには全部で9つの記念日が紹介されている。そのなかでも創価学会員に重視されているのが3月16日・5月3日・11月18日の3つだ。

3月16日は創価学会において「広宣流布記念の日」と呼ばれており、第2代会長である戸田城聖が当時の青年部に対して創価学会の活動を託した日であるとされている。

「青年部」というのは20代~30代の男性からなる「男子部」と、未婚の20代~30代の女性からなる「女子部」を統合した組織である。1958年の3月16日、戸田城聖が亡くなる約2週間前に日蓮正宗の総本山である富士大石寺において「広宣流布の模擬試験」という位置づけで記念の式典が執り行われた。

「広宣流布」というのはSOKAnetによると「仏法が説く生命尊厳の思想を根本に、人類の幸福と社会の繁栄、世界平和の実現を目指す運動のことです」とされている。これは創価学会のメインスローガンであり、さまざまな活動の目的となっている。

1958年3月16日の式典には、全国の青年部、約6000名が集まり戸田城聖から直接の薫陶を受けたという。この式典には当時の総理大臣である岸信介が招待されていたが、参加が急遽取りやめになってしまい、このとき代わりに出席したのが岸信介の娘婿であり前総理大臣である安倍晋三の父、安倍晋太郎であった。

たくさんの記念日には共通点がある

そのほかにも5月3日は戸田城聖と池田大作が会長に就任した日であり、11月18日は創価学会の創立記念日であるとともに初代会長牧口常三郎の命日でもある。また、「記念行事」の項目にはないものの、1月2日は池田大作の誕生日であることから実質的に記念日として扱われているなど、創価学会にはさまざまな記念日が存在している。

これらの記念日に共通しているのが、初代から三代までの会長に関連する出来事やその功績を淵源えんげんとしているということだ。例えば「記念行事」として扱われている他の記念日は、戸田城聖の命日である4月2日や、池田大作の入信日である8月24日、戸田城聖が「原水爆禁止宣言」を発表した9月8日など、初代から三代までの会長が創価学会や社会に対して大きな影響を与えたとされる日を記念日として定めている。

先ほど、石原さとみの入籍日は10月2日ではなく11月18日になる可能性が高いと述べたが、それは10月2日よりも11月18日のほうが記念日として重要であるからだ。

指輪と婚姻届
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10月2日は池田大作が初の海外布教に旅立った日だが、もちろんより重要なのは創立記念日のほうだ。このため10月2日を入籍日にしている創価学会員の夫婦はほとんどいないようである。