米Bing Travelは航空運賃の変動を予測してくれるサービスだ。膨大な航空運賃・価格データはもちろん、「イベントがあるから運賃が上がるはずだ」といったウェブの情報までも収集し、分析することで、将来の運賃を予測するという。
このように、「大量のデータ(Big data)」を高速で処理する分析方法が話題だ。2011年5月にマッキンゼーが「ビッグデータ 次なるフロンティア」という詳細なレポートを発表するなど、注目度は高い。
ビッグデータをうまく使えば、予測の精度・速度が飛躍的に高まり、企業や個人の利益につながる。日立コンサルティングの経営コンサルタントである小林啓倫氏は、「今後は、データを集め、ため込む行為がますます有意義なものになっていく」という。たとえば、日常生活のデータから病気の兆候を察知する方法も模索されている。
海外でビッグデータが注目される背景に「データがパブリックになりつつあるという側面がある」(小林氏)。
米国ではオバマ大統領が“透明でオープンな政府”を目指す「オープンガバメント」という施策によって、公的機関が持つ大量のデータが公開され、それを活用したサービスが生まれている。この流れは医療などの公的分野にも広がっており、その活用がビジネスチャンスになっているのだ。
一方、日本は後れを取っていると言わざるをえない。すでに海外ではビッグデータを取り扱う統計学の専門家などの人材確保に動いている企業もあるという現実を知るべきであろう。