PTAは保護者と教職員による任意加入の団体だ。結成や加入を義務付ける法的根拠はない。ところが、実態は必ずしもそうではない。ノンフィクションライターの大塚玲子さんは「ある保護者は、加入しない意思を伝えると『お子さんに不利益がありますよ』と役員に言われたと証言した。多くのPTAでは、活動の強制があることも知らされないまま、加入を強制されるという状況が続いている」という——。

※本稿は、大塚玲子(著)、おぐらなおみ(イラスト)『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版)の一部を再編集したものです。

PCを用いて作業をしている人たち
写真=iStock.com/kazuma seki
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「決まらないとお子さんの教室に行けませんよ!」

——入学式の後に体育館に軟禁状態でクラス役員決め。「決まらないとお子さんの教室に行けませんよ!」と言われた。(コアラさん)
——夫婦とも残業休出アリのフルタイム正社員。本当に無理なのに「共働きは、できない理由にならない」と言われた。(ぷにさん)
——委員に選ばれたが「下の子が小さいのでできない」と話すと、自分で代わりを見つけるよう言われ、結局見つけられず、やらざるを得なくなった。(冬子さん)
——シングルマザーで仕事が忙しく学校行事にも出られないが、一部の保護者から怒った口調で「係はみんな1度はやるんです!」と突然話しかけられた。(新しい下水道さん)
——転入したてのお母さんが役に当たって泣いてしまい、「代わりにやる」と手を挙げたが「あなたはもう何度もやってるから」と他の人たちに止められた。(Nさん)

PTAが嫌われる最大の要因、それは「活動を強制すること」でしょう。