年収3000ドルを切る最貧層へのアプローチは、いくつかの大きな障害が立ちはだかっていた。現場に、現地語で、粘り腰の姿勢で悪戦苦闘する日本企業たち。一度ハードルを越えれば圧倒的なシェアを奪うことが可能だ。
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各国の基礎データ

いま世界で急速に熱を帯び始めているのが、BOPビジネスだ。

BOPとはBase of the PyramidあるいはBottom of the Pyramidの頭文字で、全世界の所得ピラミッドの最下層にいる人々のことを指す。BOPはBRICsとは違い、特定の国を指す言葉ではない。BOPは年間所得が3000ドル未満で生活している人たちと定義され、全世界では約40億人、構成比で約7割を占めると推計されている。一人ひとりの収入は少なくても、何せ人口数が膨大。全体では5兆ドル弱の所得となり、日本のそれにほぼ匹敵する。